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動作モードはたったの2つ! 低消費電力、使いやすさ、高性能にこだわったCortex-M4F搭載Bluetooth Smart SoCワイヤレス Bluetooth Smart(2/3 ページ)

Nordic Semiconductorは、Bluetooth Smart用RF回路とCPUコアなどマイコンの要素を1チップ化したBluetooth Smart SoC「nRF52シリーズ」を発表した。ARM Cortex-M4Fコアを搭載するなど性能を高めた他、ユニークな消費電力低減技術を多く盛り込んだ。

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55nm 混載フラッシュ

 マイコンの代替を狙う上で、重要なメモリ容量も、nRF52832では512kバイトのフラッシュメモリ、64kバイトのRAMを搭載している。ペリフェラル群も拡張し、複数のSPI、I2C、UARTの他、M4FコアのDSP機能を生かした音声処理での利用を見越し、I2SやPDMを加えた。アナログインタフェースとしては、10ビットないし12ビット分解能のA-Dコンバータを8チャンネル、各種コンパレータ、PWMなどを備え、複数のセンサーなどを搭載できる。

 こうした性能、機能を、消費電力を抑制しながら実現するために、TSMCの55nmプロセスを採用。Ytterdal氏は「TSMC55nm混載フラッシュプロセスを初めて使用した製品」とし、製造プロセスでも最先端を追った。

動作を最小限にとどめる

 Bluetooth Smart対応機器で求められる低消費電力化はさまざまな面で工夫を施した。工夫に共通するのは「動作を最小限にとどめる」というスタンス。それを象徴するのが、動作モードだ。

 一般的にマイコンは、消費電力を抑えるために、多くの動作モードを持つ。動作するペリフェラルの数に応じて、複数段階の動作モードを備える。

 だが、nRF52シリーズの動作モードは、オンモードとオフモードの2つしかない。


nRF52シリーズの2つの動作モード 出典:Nordic Semiconductor

 オフモードでは、すべての回路ブロックにクロックの供給を停止した状態。一方のオンモードは、すべての回路ブロックがスタンバイ(いつでもクロックを供給できる)状態。言い換えれば、基本的に動作の必要のないところは基本的にスタンバイ状態で起動していないということだ。「動作の必要がある回路だけを都度、起動し、動作が終わればすぐにスタンバイに戻すという制御を自動的に行う」という。そのため、処理に応じて動作モードを選択するという複雑なプログラミングなしに、最低限の消費電力を自動的に実現できるわけだ。


各動作条件での消費電流値 出典:Nordic Semiconductor

 必要最小限しか動作させないというコンセプトはメモリにも反映している。内蔵する64kバイトRAMは、4kバイト単位で16分割されているセパレートRAM。そのため、記憶保持電力も場合によっては16分の1のメモリ分で済む計算だ。

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