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HMDはディスプレイだけで勝負する、「エアスカウター」が720pに進化多機能は要らない(1/2 ページ)

ブラザー工業が、透過型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「AiRScouter(エアスカウター)」の新モデルを発表した。720p(1280×720ピクセル)の解像度を持つ同モデルは、とにかくディスプレイ機能の強化を最優先にしている。組み立て業務支援や、医療分野など、確実なニーズがある市場を狙う。

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 ブラザー工業は2015年7月13日、単眼の透過型ヘッドマウントディスプレイ「AiRScouter(エアスカウター)」の新モデルとして「WD-200A」「WD-250A」を発表した。WD-200Aは、組み立て作業支援や遠隔作業支援に向けた機種で、WD-250Aは医療現場での作業支援をターゲットとしている。720p(1280×720ピクセル)の解像度を実現し、「見やすさ」を徹底的に追求した。オープン価格だが、想定価格は約25万円としている(WD-250Aについては、それ以上)。

 新モデルの開発では、「見やすさ」「使いやすさ」「機器へのつながりやすさ」の3本を軸にした。「使いやすさ」では、メガネ型だった従来品から大きく設計を変え、ヘッドバンド型にしている。「WD-100シリーズは、当社が想定していなかったものも含め、さまざまな使い方をされている。メガネ型は限界だと思った」(同社)。ディスプレイを取り付けるアーム部分は、ユーザーに合わせてかなり自由に動かせるようになっている。「機器へのつながりやすさ」としては、インタフェースとしてHDMIや、ビデオ端子(医療向けモデルであるWD-250Aのみ)を採用している。

photophoto 「AiRScouter(エアスカウター)」の新モデル「WD-250A」の外観(左)と、ディスプレイ部分を拡大したもの。AiRScouterは、ヘッドバンド、ディスプレイ、コントロールボックス、アームで構成されている(クリックで拡大)

 新機種で最も力を入れたのが、「見やすさ」を実現するディスプレイ部分だ。従来モデルに比べて解像度が大幅に上がっている。具体的には、SVGA(800×600ピクセル)から、HD(1280×720ピクセル)となった。

 これは、特にWD-250Aにおいて重要である。WD-250Aは、透析などの治療で、AiRScouterでエコー画像を見ながら血管に穿刺(せんし:針を刺す)できることを目指して、東京大学と共同研究を続けた結果、開発された製品だ。同研究に携わった、東京大学医学部付属病院 22世紀医療センター 腎疾患総合医学講座 血液浄化療法部の花房規男氏は、「超音波エコー画像を表示するには、ある程度の解像度が求められる。その点、WD-250Aは十分な解像度を持っている」と話す。

 焦点距離は、30cm〜5mの範囲で調節できる(30cm先あるいは5m先に表示されているように見える、という意味)。調節は、ディスプレイの前面にあるダイヤルを回すだけでよい。焦点距離が1mであれば13インチ相当、5mであれば63インチ相当の画角になるという。

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