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製品アーキテクチャの基礎(前編)勝ち抜くための組織づくりと製品アーキテクチャ(6)(4/5 ページ)

今回から、いよいよ製品アーキテクチャの基本に入る。ここでは、分かりやすいように、自動車産業におけるモノづくりを知ることから始めたい。その後、製品アーキテクチャの種類と概要を紹介する。そのうちの1つは、日本の電機メーカーが本来“得意だった”はずのものだ。

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製品アーキテクチャの概念

 既にこの分野に関しては、提唱者の藤本隆宏氏以外、様々な研究機関、大学、企業においても解説されている。図3に製品アーキテクチャの概念図を示す。

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図3 製品アーキテクチャの概念(クリックで拡大)

 定義であるが、製品を構成要素(部品群などのモジュール・ユニット)に分割し、製品の機能を振り分け、部品間のインターフェース(継ぎ手)を設計・調整するかに関する基本的な設計構想のことを、「製品アーキテクチャ」という。全体機能を複数のサブ機能が受け持ち、サブ機能は振り分けられた部品によって実現される。この場合、1つの部品で機能実現されるときもあれば、複数の部品で1つのサブ機能が実現されるときもある。

 具体的には、以下に示す項目がアーキテクチャの構成要素である。

  • 機能設計
  • 基本的な構造設計
  • 機能要素と構成部品との対応関係(マッピング)
  • 構成部品間のインタフェースのルール

 別の言い方をすれば、製品に要求される機能を製品の各構造部分(部品)にどのように配分し、部品間のインタフェースをどのようにデザインするか。このことに関する基本的な設計思想がアーキテクチャであると言える。

 なんだ!? 前振りが長かった割にこれだけ……? と思われるかもしれない。そう、これだけなのだ。再度、辛抱をしていただき、もう少し読み進めてもらえれば、これまで話してきた“組織能力”との接点が見えてくるはずだ。

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