USBの電圧降下を補正する電源IC:車載情報機器などに向けて展開
新日本無線は2015年7月、リニアレギュレータタイプ NJM2815、NJM2816およびスイッチングレギュレータタイプ NJW4119の量産を開始したと発表した。高性能の電圧補正機能を備えたことによって、電圧降下によるモバイル機器への充電電圧がUSB規格を満たさなくなる問題を解決する。
USB端子とモバイル機器を接続するケーブルの配線抵抗による電圧降下により、USB規格やモバイル機器メーカーの仕様を満たさないケースが増えている。特に昨今は、USB端子からモバイル機器を充電するために供給される電流容量が拡大し、より電圧降下が目立つようになっている。
その中で、新日本無線は2015年7月、リニアレギュレータNJM2815、NJM2816およびスイッチングレギュレータNJW4119の量産を開始したと発表した。3製品ともに、負荷電流に比例して出力電圧を上昇させる高性能な電圧補正機能を持つ電源ICで、USBにおける電圧降下問題を解決するという。
スマートフォンやタブレット端末にも対応
NJM2815/NJM2816はエラーフラグ出力機能により、USB充電電圧を供給しているときに動作異常が発生したとしても、即座にマイコンに動作異常を通知することができる。NJW4119にはパワーグッド出力機能を内蔵し、出力電圧が正常に立ち上がっていることをマイコンへ通知することが可能となっている。
出力電流はNJM2815が1.0A、NJM2816が1.5A、NJW4119は2.4Aとなっている。一般的なUSBアプリケーションだけでなく、急速充電対応のスマートフォンやタブレット端末などにも対応し、用途に応じた選択ができるようになった。
USB3.1やUSB Power Deliveryへの対応を
NJM2815/NJM2816/NJW4119は、主な用途としてセンターコンソールから後部座席へと数mのUSBケーブルを敷くことの多い車載情報機器などを想定。NJM2815に関しては、国内で先駆けて日系企業のカーナビに導入実績があり、「車載用途は、ワイヤーハーネスなど細くてインピーダンスの高いケーブルをUSBに使用するケースが増えている。その中でケーブルや部品のばらつきや温度変化が発生するような状況下でも、確実にUSB規格や各種仕様を満たせる高精度な電圧補正機能として、高い評価を受けている」(同社)という。
今後は、少ピンにするなどの小型化を進めるとともに、USB3.1やUSB Power Deliveryにも対応できるよう大電流対応製品をラインアップしていく方針。また、車載情報機器だけでなくホームオーディオやテレビなどへの提案も実施していくという。
いずれの製品も既に量産を開始。参考価格は、NJM2815が150円、NJM2816が160円、NJW4119が200円となっている。
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