3Dプリンタでセンサーを作った! 米大学が発表:腐った牛乳を検知(1/2 ページ)
米カリフォルニア大学バークレー校(UC Barkeley)が、3Dプリンタで、コンデンサやインダクタなどの受動部品を作成した。それを用いて、腐った牛乳を感知するためのセンサーを作ったという。
米University of California at Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校、以下UC Berkeley)の研究チームは、家庭用3Dプリンタにいくつかの簡単な命令を与えるだけでワイヤレスセンサーを作成する方法を発表した。
UC Berkeleyの研究チームはこの理論を実証するために、台湾のNational Chiao Tung University(国立交通大学)と協力して、牛乳パック内の牛乳の腐敗を感知するネジ式の“スマートキャップ”を作成した。UC Berkeleyの教授でBerkeley Sensor and Actuator Center(BSAC)の共同ディレクタも務めるLiwei Lin氏は、「3Dプリンティングで基礎的な電気部品を作成できることを実証したのは、この研究が初となる」と主張している。
UC Barkeleyが3Dプリンタで作成した電子部品。抵抗、インダクタ、コンデンサ、タンク回路がある。インダクタとコンデンサの下にあるのは、大きさを比較するための1セントコインである(クリックで拡大) 出典:UC Barkeley
Lin氏は、EE Timesに対して、「われわれは、抵抗とインダクタ、コンデンサを3Dプリンタで作成し、ワイヤレスセンサーとして機能する回路を形成できることを証明した。センサーに必要な3D構造をポリマーで印刷し、犠牲材料としてワックスを使い、受動部品の印刷位置を決める。その後ワックスを溶かし、その部分にシリンジを使って銀ペーストを注入した」と説明した。
Lin氏は、「他の研究チームがやってきたような、導電性ポリマーを使って3D回路を印刷する方法では、本物の金属を使用した時と同等レベルの性能は得られない」と指摘している。Lin氏の研究チームは、ワイヤレスR-L-C(R:抵抗、L:インダクタ、C:コンデンサ)回路に全ての部品を接続するためのワイヤーやビアも3Dプリンタで作成し、同回路が実際に動作することを確認したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.