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SRAM同様、自由に配置できる混載フラッシュマスク4枚を追加するだけの低コスト製造対応(4/4 ページ)

不揮発メモリIPを手掛ける国内ベンチャー企業が、LSIのどこにでも配置できる新たな混載フラッシュメモリ技術を開発した。通常のCMOSプロセスに3〜4枚のマスクを追加するだけで実現できるといい、2016年中の量産対応を目指す。

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車載用途などで実績

 フローディアは、2011年に、ルネサス エレクトロニクスでメモリ開発に従事した経歴を持つエンジニアが中心となって設立した混載不揮発メモリ専門のIPベンダー。同社のメモリIPの開発コンセプトは、低価格(Low Cost)、簡単(Easily)、混載可能(Embedded)の3つ。ホットエレクトロン注入方式よりも低電力動作可能でテストを簡素化できるFNトンネル注入技術と、シンプルな構造にできるSONOS型チャージトラップ技術をコア技術として、低コストで混載できるIPを開発してきた。

 これまでに、メモリ専用の追加マスクゼロでフラッシュメモリを混載できる「LEE Flash-ZT」や、3枚程度のマスク追加で、高圧MOS版FNトンネル注入型SONOSフラッシュを構築できる「LEE Flash-G1」などのIPをリリース。同ZTは、国内外のファウンドリが対応する0.35μmプロセス版が、同G1も台湾Powerchipの90nmプロセス対応版がリリースされ、車載用を含むさまざまなLSIで採用されているという。

40nm、28nmへの対応も間もなく着手へ


長沢幸一氏

 開発した同G2についても、まず、実績あるPowerchipの90nmプロセスでの評価を先行させ、2016年末には同IPを用いたデバイスの量産が行える環境構築をめざす方針。その後、55nmプロセスや他のファウンドリへの展開を進めていく方針。同社会長を務める長沢幸一氏は「同G2は、現状10nm程度まで微細化することが可能であり、40nm、28nmプロセス対応に向けた開発も近く、着手する予定。設計者がフレキシブルに使えるフラッシュであり、LSI設計者に同G2の良さを理解してもらい、結果的に、対応ファウンドリを増やしていければと考えている」という。


「LEE Flash-G2」などフローディアのメモリIP開発ロードマップ (クリックで拡大) 出典:フローディア

 なお、フローディアは2015年6月に、産業革新機構をはじめ三菱UFJキャピタル、大和企業投資から最大8億円の出資を得ることが決定。2021年に年間20億円以上を売り上げ、株式公開を目指している。

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