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「3D XPoint」は相変化メモリか――特許から詮索臆測呼ぶIntel/Micronの新メモリ(2/2 ページ)

Intel(インテル)とMicron(マイクロン)がこのほど発表した不揮発性メモリ「3D XPoint」は本当に相変化メモリの1つなのか? 筆者が特許をウェブで検索したところ、この見方を裏付ける結果となった。

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 特許と特許出願のデータベースを検索したところ、ここ数年でIntelもしくはMicronに割り当てられた少なくとも20の特許がヒットした。いずれも相変化、PCMもしくはPCMSに直接言及しているか、不揮発性メモリについてより大まかに書かれたものであれば、PCMやPCMSを具体例として引用していた。加えて、これらの特許と似たような未許可の特許出願が数多くヒットした。

 特許と特許出願のデータベースの検索を通じて、相変化メモリ以外のタイプの不揮発性メモリに関する言及を見つけるのはより困難だった。下の表に、これまでに見つかった特許のリストを掲載。検索でPCMSが頻繁にヒットしたことは、「決定的ではないものの、相変化は恐らく3D XPointメモリの背景にあるメカニズムである」という見方を裏付けているように思える。

Intel/Micronの相変化メモリ(PCM)/PCMSに関連した米国特許
米国特許番号
9064560 8953387 8917534 8891319
8891280 8765581 8730755 8626997
8607089 8605531 8462577 8462546
8431446 8404514 8385100 8374022
8289762 8278641 7986549 7876607

 プレスカンファレンスに出席した両社の幹部は、3D XPointを“根本的に新しい技術”と称した。なおかつ、単層のPCMSメモリは5年以上も前の2009年10月(同年11月のIEDMでのPCMSの発表前)に登場済みだ。

 恐らく、3D XPointをどう定義するかは人それぞれの見方次第だろう。

 Durcan氏はプレスカンファレンスで3D XPointと相変化メモリを比較し、3D XPointがなぜ、さらなる成功を収める可能性があるのか説明するよう求められた。これに対し同氏は、「以前から市場に出回っており、Micronもいくらかの経験がある相変化メモリと比較すると、3D XPointはメモリヒエラルキーのどこに位置するのかという点で非常に異なるアーキテクチャである。なぜなら、3D XPointは速度、揮発性、性能といった面で劇的に強化されたからだ」と述べた。

相変化メモリではないが、その強化版?

 Durcan氏の説明は、3D XPointは相変化メモリではないが、その強化版であるという考え方を裏付けるように思える。

 相変化メモリには長く困難な歴史があるので、恐らくIntelとMicronは3D XPointを相変化メモリと異なるものに定義することを決めたのではないだろうか。

 Micronはかつて、90nmと45nmプロセスの相変化メモリを提供しようとしたが、その後Webサイトから相変化メモリに関するコンテンツを削除し、2014年1月には相変化メモリ技術を維持するかどうか検討中であることを明らかにしていた。

 ところが、最近Webサイト上では再び相変化メモリのデータシートが表示されていて、Micronは「Micronは相変化メモリの革新を続けている。当社は、2世代の相変化メモリプロセス技術に続くプロセスを目下、開発中であり、ビットごとのコストの低減と低消費電力化、高性能化の実現を目指している。相変化メモリは、Micronが投資するいくつかの次世代メモリ技術の1つである」という声明を出している。

 2層で128Gビットの3D XPointメモリの構築を実現する2Xnmないし1Xnmの相変化メモリプロセスは、前述のMicronの声明と一致する。だが、Micronが言う通り、他の次世代メモリ技術も存在する。

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