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補助人工心臓に5G向けMIMO、NIが活用事例を披露「NIWeek 2015」(1/2 ページ)

National Instruments(NI)のテクニカルカンファレンス「NIWeek 2015」が、米国で開催されている。1日目の基調講演では、補助人工心臓や5G通信向けのFD(Full Dimension)-MIMOなど、NI製品を使用した数多くの事例に関心が集まった。

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3千人以上の一大イベント

 National Instruments(ナショナルインスツルメンツ/以下、NI)は、米国テキサス州オースチンでテクニカルカンファレンス「NIWeek 2015」(2015年8月3〜6日)を開催中だ。NIWeekは、毎年3000〜4000人規模の開発者やパートナーが集まる、NIの一大イベントである。今回のテーマは「産業用IoT(Industrial IoT、以下IIoT)だ。


photophoto 左=「NIWeek 2015」の会場であるAustin Convention Center / 右=基調講演の会場の様子(クリックで拡大)

膨大なデータをいかに“価値あるもの”にできるか

 8月4日(現地時間)に行われた基調講演で、同社の創設者で社長兼最高経営責任者(CEO)のJames Truchard氏は、「当社は30年以上、アナログデータ(自然界のデータ)を扱ってきた」と述べ、膨大の量のデータをいかに“価値のあるもの”にするかがIIoTの世界では重要になってくると語った。

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National Instruments CEOのJames Truchard氏
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NIの計測システムの概念。センサーなどを介してアナログデータを収集する「Interact」、それを処理する「Computing」、処理したデータを可視化する部分である「Connect」から構成される(クリックで拡大)

補助人工心臓で、子どもの命を救う

 NIWeekは、“NI製品(あるいはNI自身)のファンのためのお祭り”といっても過言ではない。基調講演中は、会場内のあちこちで拍手が起き、歓声が沸く。参加者は、Truchard氏ら幹部のスピーチだけでなく、基調講演で発表される新製品や数々の事例も楽しみにしている。毎回、NIWeekの基調講演では、NIの製品を採用した業界の最先端の研究成果や、意外な分野での採用事例が数多く披露される。

 今回、多くの来場者の注目を集めた事例の1つが、ドイツBerlin Heartの補助人工心臓(心室拍動支援装置)「EXCOR」である。EXCORは、重症の心臓病を患う子供の体内に埋め込んで心臓の拍動を補助するもので、移植を待つ間の“一時的な処置”として使われる。日本では長らく医療機器として承認されなかったため、使うことができなかったが、2015年6月に、厚生労働省がようやく国内販売を許可している。このEXCORのテストシステムには、NIのデータ集録製品「CompactDAQ」が使われているという。

photophoto 「EXCOR」を制御する装置である「IKUS Driving Unit」のテストシステムは、「CompactDAQ」を使って構成されている(クリックで拡大)
photophoto 左=EXCORのデモ / 右=EXCORは、このように実際に心臓につないで低下した拍動を助ける。あるNI社員の娘さんも、EXCORを使っていたという(いずれもクリックで拡大)

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