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がん組織に埋め込むセンサー、無線でデータ送信充電も非接触(1/2 ページ)

米国のがん研究機関が、がん組織に直接埋め込み、バイオマーカーのデータを無線でリアルタイムに送信するセンサーを開発した。今後、開発チームは、センサーの改良を重ね、MRI(核磁気共鳴画像法)装置を使わなくても同等の検査ができるようにすることを目指すという。

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 がんを専門に研究する機関である米Koch Institute for Integrative Cancer Research*)は2015年8月、がん組織に直接埋め込み、バイオマーカーのデータを無線でリアルタイムに送信するセンサーを開発したと発表した。これによって、治療薬に対するがん組織の反応をモニタリングしやすくなり、治療法や治療薬を、より適切に調整できる可能性があるという。

*)Koch Institute for Integrative Cancer Researchは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)から派生したもので、MITのキャンパス内に本拠地を構えている。

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Koch Institute for Integrative Cancer Researchが開発した、がん組織に直接埋め込むセンサー 出典:Koch Institute for Integrative Cancer Research(Photo courtesy of the researchers.)

 同センサーは、生体適合性のある医療用プラスチックで作られていて、生体検査用の針先でつまめるほど小さい。pHと溶存酸素のデータをリアルタイムに外部リーダー端末に送信する。

 pHと溶存酸素は、抗がん剤などに対するがん組織の反応を見るバイオマーカーだ。がん組織は、治療薬に反応すると、より酸性になる。また、がん組織の内部環境は低酸素なので、酸素レベルを知ることは、医師が放射線治療や薬物療法で、適切や照射量・投薬量を判断するために役立つ。Koch Instituteによれば、より低酸素なら、より放射線の照射量を増やすことが必要だという。

 腫瘍の大きさなどはMRI(核磁気共鳴画像法)で撮影するが、治療薬がどの程度効果が出ているのかは、一般的に生体検査で行っている。生体検査は患部の一部を切り取る侵襲(身体に傷をつけること)的検査なので、患者に心身ともに負担をかけることも多い。今回開発したセンサーは、最初の生体検査の時に埋め込めば、後はセンサーからのデータをモニタリングするだけで済むので、侵襲の程度を最小限に抑えることが可能になる。

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