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農家は究極の“イノベータ”だ空にはドローン、畑にロボット(3/3 ページ)

最先端のテクノロジーを農業に応用しようとする動きが加速している。農業従事者は革新的な技術への関心が本質的に高く、技術メーカーにとって農業は、新しいテクノロジーをアピールする完璧な市場なのではないか。

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ハイテク農業へのけん引役

 Johnson氏は、「近年、農場は拡大され、農業従事者が扱う農地は広くなる傾向にある。彼らはあらゆる手を尽くして生産性を上げ、人手不足に対処する方法を模索している」と述べている。

 その1つとして、農業へのロボットの導入が着実に進んでいる。トウモロコシ畑では夏の終わりに、間作物の種をまくために、ロボット掃除機「ルンバ」のようなロボットが、畝をクルクルと動き回っている。

 搾乳ロボットも、まだ高価ではあるが、導入が進んでいる。Johnson氏によると、「乳牛にとっては、人間の手で搾乳するより、ロボットの一貫性のある安定した動きの方がよい」という。

 無人運転トラクターの導入も検討が進んでいる。Luck氏は、「もちろん、自動操縦の500馬力の機械が制御を失って民家に突入したらどうするのか、など懸念すべき課題はある」と述べる。だが、小型の自動操縦機械は試験的に導入されていて、“24時間農業”の実現への扉は開かれようとしている。農作業のプロセスから人手が省かれ、中秋の名月(Harvest Moon:収穫月)が輝く空の下、一晩中眠らずに働く農業機械の姿を見られる日も近いかもしれない。

 Luck氏は、自動運転車が公道を走るようになる前に、無人運転トラクターが導入されると確信しているという。

 農業従事者には、農業のノウハウと、常に革新を求めるという本質の両方が備わっている。技術メーカーにとって農業は、新しい機器(技術)やアルゴリズム、分析技術などを売り込む完璧な市場になるのではないだろうか。

 実際、シリコンバレーでは農業分野への関心は常に高い。同分野に関連する技術展示会の規模は急速に拡大している。Cleantech Corpのリポートによれば、農業への投資額は右肩上がりの傾向にあるという。2014年には、176の案件に対して11億4000万米ドルに上る投資があったという。

 ここからは、農業への導入が進んでいるハイテク機器を紹介していこう。

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ウィスコンシンに本拠地を構えるドローンメーカーのDMZ Marketingのドローン。作物や土壌の様子を上空からチェックする
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米ミネソタ州の新興企業Rowbotが開発しているロボット。肥料や種をまくのに使われれる。トウモロコシの間をすいすいと進めるほど小型で、GPSを介して制御することができる 出典:Rowbot
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湿度をモニタリングするセンサー。データはWebでチェックでき、水をまくタイミングが分かりやすくなる。
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大型の草裁断機(チョッパー)。作物や干し草の重さを測れるセンサーを搭載しているので、農地のどのエリアでどれだけの収穫があったのかをマッピングすることが可能になる
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Climate Corpは、天候のデータから、農作物の収穫高の増減や、農作物に与えるリスクなどを引き出し、表示するシステムを開発している
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Spectrum Technologiesは、土壌の水分をモニタリングするツールの開発を手掛けている。土に差し込むと、周辺エリアの土壌の水分値が分かる 出典:Spectrum Technologies
搾乳ロボットの動画

【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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