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ASMLがEUVリソグラフィ開発の最新状況を公表(3)〜EUV露光装置の開発史:SEMICON West 2015リポート(6)(2/2 ページ)
今回は、EUV(極端紫外線)露光装置の開発の歴史を振り返ってみたい。ASMLが顧客向けに初めてEUV露光装置を出荷したのは2006年のことである。その後の約10年で、光源の出力やスループットはどのくらい向上しているのだろうか。
第3世代機「NXE:3300B」を顧客が評価
講演者のLercel氏は、NXE:3300Bを顧客が評価した結果を2枚のスライドにまとめてみせた。1枚目のスライドは、テスト結果のグラフである。2枚目のスライドには、テスト結果のグラフから得られた性能(結論)を示した。さらに、7nm世代の第1金属(M1)配線に相当する複雑なパターンをNXE:3300Bで露光した結果も披露していた。
NXE:3300Bを顧客が評価した結果。左上のグラフは、焦点位置の均一性をウエハー全体にわたって測定したもの。右上のグラフは、装置間の重ね合わせ(オーバーレイ)誤差を測定したもの。左下のグラフは、CDU(Critical Dimension Uniformity)をウエハー全体にわたって測定したもの。上は密集した直線、下は孤立した直線。右下のグラフは、ハーフピッチが18nmの水平な直線群を露光して線幅とCDUを測定した結果(クリックで拡大)
4種類の評価結果をまとめたスライド。左上は、ウエハー内の焦点位置が12nm未満の誤差でそろったことを示す。右上は、装置間の重ね合わせ(オーバーレイ)誤差が4nm未満であったことを示す。左下は、ウエハー内で22nmのパターンに対するCDU(誤差)が1.5nm未満であったことを示す。右下は、ハーフピッチが18nmの水平な直線群を1カ月にわたって安定に解像できたことを示す(クリックで拡大)
(次回に続く)
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