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中国無名企業が驚きのサーバ用ARMプロセッサ専門家から感嘆の声(1/3 ページ)

マイクロプロセッサの国際学会「Hot Chips 27」では、中国の新興企業Phytium Technologyが注目を集めた。同社は、64コアのARMv8プロセッサ「Mars」を発表し、来場者に強い印象を残した。

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 高性能マイクロプロセッサの国際学会「Hot Chips 27」が米国カリフォルニア州クパチーノ(Cupertino)で2015年8月23〜25日に開催された。

 中国の新興企業Phytium Technologyは同会場において、ARMベースのサーバ向けプロセッサ「Mars」を発表した。また、Oracleは同じセッションの中で、同社にとって初となる、InfiniBand搭載のSPARCプロセッサ「Sonoma」を発表している。

一躍脚光を浴びた「Mars」

 Phytium Technologyは、2012年に設立された無名の新興企業だ。同社が今回発表したMarsは、28nmプロセスを適用した64コアのARMv8プロセッサで、最大動作周波数が2GHzとなっている。サイクル当たり最大4命令を実行し、演算性能は最大512GFLOPS(ギガフロップス)を実現可能だ。消費電力量は120Wと大きく、ピン数は約3000本、ダイ面積は640mm2である。

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「Mars」の中身。外付けのL3キャッシュとメモリコントローラを使用する

 またMarsは、Caviumが現在サンプル出荷を開始している48コアの「ThunderX」や、Broadcomが現在開発中のハイエンド品などといった、既存のハイエンドのARMベースのサーバ向けプロセッサを上回る性能を実現するという。EZchip Semiconductorは2015年2月に、ARMv8-A 64ビットコアを100個搭載したプロセッサファミリ「TILE-Mx」を発表し、間もなく出荷予定だとしていたが、今のところ2017年にずれ込む可能性があるという。

 Marsは、まだテープアウト(設計完了)していない。それでもPhytium Technologyは、その名をほとんど知られていなかったこともあってか、マイクロプロセッサ開発メーカーが集う今回の年次イベントにおいて、アナリストたちや観測筋に強烈な印象を与えたようだ。

 米国の半導体市場調査会社であるInsight64でプリンシパルを務めるNathan Brookwood氏は、「実に驚いた。Marsは、これまでにない最も優れた64ビットARMチップだ。本当に素晴らしい。今回のイベントにおける最大の目玉だといえる」と述べている。

 AMDのフェローであるSam Naffziger氏は、今回のセッションの司会を務めた。同氏も、「Marsは、優れたキャッシュ階層と帯域幅の適合を実現した、素晴らしい製品だ」と称賛している。

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