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半金属のビスマスが薄膜になると半導体に!:次世代高速デバイスの有力材料か!?(2/2 ページ)
半金属であり、ディラック電子を持つビスマスを薄膜にすると、その電気的特性が半導体に変わることが実証された。
70nmで転移
測定の結果、厚さ70nmのビスマス薄膜でエネルギーギャップが開き半導体になっていることを実証。Sandomirskiiの予測よりも厚い膜厚で半金属半導体転移が起こることが分かった。
逆に、膜厚を10nm以下に薄化すると、予想に反して、エネルギーギャップがない半金属であることも判明。「厚さ10nm以下では表面・界面の効果が重要であり、これを考慮した新たな理論が必要なことを示している」(研究グループ)という。
測定された実験データ。左側の図(a)はエネルギーと運動量のイメージを示し、図(b)が光電子分光強度のスペクトル。内部状態はフェルミ準位(EF)にピークがなく半導体だが、表面状態はフェルミ準位を横切る金属である。内部状態は通常は測定条件(光エネルギーや光の偏光)を変えるとピーク位置が変化するが、薄膜では量子サイズ効果により測定条件を変えてもピーク位置が変化しない (クリックで拡大) 出典:東京工業大学
高速、極薄デバイスへの応用期待
今回の成果について、研究グループは「量子サイズ効果を利用してビスマスの電気的性質を制御できることを明確に示したもの。今後はビスマス内部の高移動度のディラック電子を利用した高速デバイスの開発、さらにビスマスの表面や界面に存在する電子を利用した極薄ナノデバイス開発という応用研究へと進展することが期待できる」としている。
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