「ソフトウェア定義の環境を」 Xilinx戦略を語る:ALL PROGRAMMABLEを推進へ(1/2 ページ)
Xilinxは、6つの産業トレンドの要求に応える戦略を発表した。「ALL PROGRAMMABLE」をテーマに掲げ、ソフトウェア定義のプログラミングモデルの導入を進めることで、急速に発展するIoTやADASなどの産業トレンドで次世代のシステムをサポートしていきたいという。
Xilinxは2015年9月4日、モノとモノがコネクティビティを持つ時代において、6つの産業トレンドの要求に応える戦略を都内で発表した。Xilinxコーポレートストラテジー&マーケティング部でシニアバイスプレジデントを務めるSteve Glaser氏が登壇した。
「ALL PROGRAMMABLE」を掲げ、ソフトウェア定義のプログラミングモデルの導入を進めることで、IoTやADASなどの成長トレンドにある産業の次世代システムをサポートしていきたいという。5年以内に、FPGAが利用できる潜在的ユーザー数を現在のハードウェアエンジニア5万人からソフトウェアエンジニア25万人にするとしている。
ALL PROGRAMMABLEとは?
同社が掲げるALL PROGRAMMABLEは、ASICの開発費の高騰によるFPGAの需要の増加が背景にある。しかし、FPGAを使うにはRTL(Register Transfer Level)で開発する必要があり、導入の際に壁となっていた。同社はソフトウェアエンジニア向けの開発環境「Vivado HLS(High-Level Synthesis)」、「SDx」を提供。FPGAの設計知識が少ない開発者でもCベースの高位プログラミング言語を使用してハードウェアを生成することを可能にした。
「今まではソフトウェア指向とハードウェア指向でプログラマブルの二分化が起こっていた。ソフトウェア指向は開発の容易さや拡張性を重視し、ハードウェア指向はビッグデータやセキュリティ、コネクティビティを重視していたのだ。ALL PROGRAMMABLEのシステムやネットワークを提供したことで、Xilinxのみがプログラマブルの二分化に対応できる」とSteve氏は語る。
同社は、次世代FPGAファミリ「UltraScale」やAll PROGRAMMABLE SoC「ZYNQ」、3D ICなどのハードウェア製品にも引き続き注力していく。FPGAとマルチプロセッサコアを集積した「MPSoC」は、「今までのような2つの環境から、リアルタイムプロセッサ、アプリケーションの処理、IoTに向けたセキュリティの安全性など、7つの環境を1つのチップに集積させた次世代レベルの製品である」(Steve氏)という。
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