新型Apple TVは、成功するのか:iPhoneと並ぶ、もう1つの目玉?(2/3 ページ)
Appleの新製品発表会が近づく中、「iPhone」以上に話題をさらうと一部でいわれているのが、新型「Apple TV」だ。「Roku」や「Chromecast」などのライバルがいる中、Apple TVは存在感を高められるのだろうか。
AppleがTV市場を制するには?
IHSのコネクテッドホーム部門で主席アナリストを務めるMerrick Kingston氏は、この質問に対し、「私の見解では、DMA(Digital Media Adapter)機器市場を制することと、TV市場を制することは大きく異なる」と指摘した。
Kingston氏は、「Appleは、149米ドルのセットトップボックスを市場投入するだけで、有料テレビ市場の全体構造を一挙に解体できるわけではない。確かに、“コードネバー”の影響力は大きいし、テレビの視聴形態の変化によって有料テレビ市場は脅かされている。しかし、Appleは、有料テレビ放送の普及率が高い市場を“ある程度”切り崩そうとしているのではない」と述べる。
独占コンテンツは、市場を一変する要因となり得るのか
Appleがコンテンツ保有者と排他的なパートナーシップを結ぶ、あるいはApple TV向けのオリジナルコンテンツをリリースするといった臆測は多い。この点は、DMA機器市場を一変するのだろうか。
Kingston氏は「業界内では、『Apple TVにだけバンドルされるペイテレビ機能によって、Apple TVの魅力は増すのではないだろうか』という臆測がある」と説明した。
Appleがテレビネットワークと協議していることを示唆するいくつかの証拠がある。うわさによるとAppleは、Apple TVのユーザー向けに、ケーブルTVを契約しなくても好きなチャンネルを視聴できる、月額40米ドルのプランを立ち上げたいようだ。Apple関連の情報を提供しているサイト9TO5Macは以前、「コンテンツはWebからストリーミングされ、新型Apple TV上で『iTunes』と統合される」と報じた。だが現在は、「そのようなApple TVの新サービスは、少なくとも来年まではリリースされないだろう」との見解を示している。
Kingston氏は「確かにコンテンツは重要だが、私の見解では、独占的なコンテンツを売りにした機器は既に存在している。ケーブルテレビを契約していない人が、インターネット接続機器を通じてペイテレビを視聴したい場合、『Roku』や『PlayStation』といった選択肢が既にある。Appleにとって重要な米国市場では、Apple TVは、それほど充実していないTVサービスを提供する“第3の手段”にすぎないと捉えられる可能性がある」と分析している。
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