GLOBALFOUNDRIESが早期退職者を募集:対象は5000人の元IBM従業員なのか(1/2 ページ)
GLOBALFOUNDRIESが、早期退職希望者を募集しているという。ただし、専門家によればファウンドリ市場はそれほど低迷していない。「早期退職募集の対象者は、IBMから移ってきた5000人の従業員なのではないか」と推測する報道機関もある。
GLOBALFOUNDRIESは、過去9カ月間におよぶファウンドリ市場の落ち込みを受けて、米国の従業員に対し早期退職の希望者を募っている。
GLOBALFOUNDRIESの担当者は、早期退職者募集の原因としてファウンドリ業界の売上高が11%減少したことを挙げながらも、自社の財務状況については明らかにしなかった。一方、GLOBALFOUNDRIESは11%という数値は業界リポートを独自に分析して算出したものだと述べたが、この数値を「高すぎる」とする意見もある。
GLOBALFOUNDRIESの担当者はEE Timesに対し、「過去1年で、ファウンドリ業界における価格とコストをめぐる競争はさらに厳しくなった。これには、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC向けのデバイスやその他の製品市場が鈍化していることを含め、いくつかの要因がある。より競争力のあるコスト構造を構築して対処するため、米国の従業員に対して自発的な離職プログラムを実施している」と語った。
International Business Strategiesの創設者兼CEOで、GLOBALFOUNDRIESの動向を追っているHandel Jones氏は、「現在、需要の観点から鈍化がみられるのは確かだが、われわれはそれを一時的なものとみている。GLOBALFOUNDRIESが主張する11%という数値には同意しない。TSMCはApple関連事業が伸びたことで堅調であるし、ファウンドリ市場は今のところ2014年とほぼ同等の成長を遂げている。とはいえ、四半期ベースでは多少の不安定さがあるのも事実だ」と述べた。
売上高の減少とファウンドリ業界の鈍化の原因として、DRAM価格の下落、スマートフォン市場の飽和、BOMコストの削減、自動車市場の鈍化が挙げられる。
さらにJones氏は、「M&Aの結果、製品価格がより高くなる可能性はある。これは暗い見通しではないが、ファウンドリ市場の勢いが後押しされるという状況ではない」と述べた。
TSMCは2015年9月、同年8月の売上高が、前月比と前年同月比の両方で減少したと発表した。GLOBALFOUNDRIESは非公開企業なので財務データを明らかにはしないが、同社は同じ問題を経験しているのかもしれない。
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