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その時、警察は何をしてくれるのか?実録! ネット詐欺(後編)(2/5 ページ)

インターネット利用詐欺との戦いも、いよいよ最終フェーズを迎えました。「警察に相談する」です。ネット詐欺に遭った場合、果たして警察はどう動いてくれるのでしょうか。実際のところ、警察は“当てになる”のでしょうか。

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「被害届け」を受理できない!?

江端:「えっと、では、本件の場合は、相手方を特定できないので、『警察は被害届けを受理できない』ということでしょうか?」

警官:「『受理できない』とは言いませんが、『受理は難しい』と考えます」

江端:「すみません。おっしゃっている意味が分かりません。受理というのは『受理する』『受理しない』以外の、別の状態があるということですか」

警察:「いえ、受理しても、警察が捜査するかどうかは別ということです。今回の場合は被疑者が特定できないので、被害届けを出すことが、何の意味もない行為になる、ということです」

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画像はイメージです

江端:「私も、事実上、本ケースのネット詐欺の犯人を見つけることは『絶望的に難しい』だろうことは理解しています」

警官:「そこです。本ケースでは、江端さんに『加害者に対する処罰意識』が薄いように感じるのです。そうなると、全く機能しない『被害届け』が提出されるだけ、という状況になり、何のために、誰のために処理を進めるのかが分からなくなるのです」

江端:「いや、処罰意識はありますよ。本気で『殺しても飽き足らない』くらいの気持ちはあります。ふむ……、では私が、まだ生きているかもしれない電子メールアドレスを使って、PDFファイルを『内容証明郵便』の代わりに送信し、その応答がないことを理由に、被害届けを出すことができますか」

警官:「え? 電子メール? PDFですか? ちょ、ちょっと待ってください」

 そう言って、警官は、5分ほど部屋から出ていきました。

 部屋に1人でいる間、私は考えていました。

―― 犯人の名前と居所を特定できないと『被害届け』が出せないのであれば、ひき逃げや殺人事件でも、犯人が特定できない限り、被害届けが提出できないことになるんだけどなぁ

―― 今回のケースは、規模が小さく(8000円程度の少額詐欺)、被害者(私)の過失(うっかり度)も大きい。世間一般から考えれば、優先度の高い事件は、日本中にたくさんあるだろう。だから、警察としては、この程度の事件で、『被害届け』を提出されるのは困るのかもしれない

―― しかし、警察としては、口が裂けたって、そんなこと言えないだろうしなぁ

などと、ボンヤリと考えていました。

 そもそも、私は、警察の方を、正論で追いつめて困らせたいわけではありませんでしたので、そろそろまとめの段階に入ろうと考えていました。

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