「LTE-UとWi-Fiは共存可能」、Qualcommが実験:Wi-Fi Alliance側は懸念を表明も(1/2 ページ)
アンライセンス周波数帯を活用したLTE通信、いわゆるLTE-Uへの取り組みが進められている。だが、Wi-Fi Alliance側の懸念は増すばかりのようだ。そのような中、QualcommがLTE-UとWi-Fiが共存可能なことを実証実験で示した。
LTE-U(アンライセンス周波数帯を活用したLTE通信)は、LTE-Advancedをアンライセンス周波数帯である5GHz周波数帯にも拡張することを目指す技術である。LTE-Uが導入されれば、ユーザーがWi-Fiネットワークにログインしなくても、データ通信速度を上げることができる。だが、Wi-Fiを主に利用していて、LTE-Uの干渉を懸念する企業からは批判を受けているのが現状だ。
そのような中、Qualcommは「LTE-UはWi-Fiと親和性の高い次世代通信技術である」という認識を広めたいと考えている。Qualcommは、同社の米カリフォルニア州サンディエゴにある研究所で、LTE-UとWi-Fiの共存実験を行った。
同実験は、メディアストリーミング用の9個のアクセスポイントを構成して行われた。この際、干渉を相殺するための仕組みは使わなかったという。実験では、まずWi-Fiのみを使用した時の各アクセスポイントのスループットが計測された。その後、アクセスポイント9個のうち1個を、5GHz帯以上を使用するLTE-Uに当て、再度測定したという。
この実験は、サードパーティーであるSignal Researchの立ち会いの下、行われた。この結果、メーカーの異なるWi-Fiアクセスポイントはスループットにばらつきがあることが分かった。これは、携帯ネットワークの有無や、携帯電話使用時にLTE-Uとの周波数帯共有の有無などには関係がなかった。
上位2個のアクセスポイントの平均スループットは5.8Mビット/秒で、これはWi-Fiだけで通信した場合だった。Wi-FiとLTE-Uが混在型している場合は、LTE-Uにおいて、下り回線で0.06ms程度遅延が減少し、上り回線では10ms程度遅延が増加した。ただし、現時点では、5GHz以上の帯域を使うLTE-Uについては、上り回線の仕様が含まれていない。
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