スマートホームは半導体業界を救えない?:普及はまだ遠く(2/3 ページ)
半導体業界の次なる“けん引役”をスマートホームに期待するのは、だいぶ早いようだ。GoogleやSamsung Electronicsなどが投資している分野ではあるものの、多くの一般消費者は、スマートホームの設定や接続がうまくいかずに諦め気味になっているという。
設定できずにイライラ……
あらゆるスマートホームを実現する上で最初のステップとなるのが、接続性だ。
接続性は多くの消費者にとって、今なお障壁となっている。Feland氏は、「米国の家電量販大手のBest Buyで最も返品率が高い製品は何か、ご存じだろうか。無線LANルーターだ。返品された無線LANルーターは、完全に正常な動作が可能な状態であるにもかかわらず、消費者たちは“動かない”と言い張る」と述べる。
これは、ほんの始まりにすぎない。
例えば、ホームセキュリティを設置するには、屋外や、無線LANの電波が届かないような場所にカメラを取り付けなければならないという問題に直面する。このような場合は、どうすべきなのだろうか。
Feland氏は、「この問題を解決するには、店に行ってアクセスポイントを購入し、ネットワークをもう1つ追加して、2つのネットワークを相互通信させる必要がある」と述べる。消費者の多くは、このような追加手順を非常に難しいと考えるだろう。
それだけではない。Feland氏は、「例えば、PhilipsのスマートLED照明『Hue』の電球を12個、取り付けたいとしよう。必要なのは、ハブとルーター、専用アプリを搭載したスマートフォン、そしてもちろんインターネット接続だ。では、ハブとルーターを接続しさえすればよいのだろうか? 理論的にはその答えは“YES”である。しかしここでは、ZigBeeからハブ、無線LANへとホッピングが可能な複数のネットワークを設定することが求められる。しかもそれは、うまくいかない可能性もある」と述べる。
さらに、ネットワークには決して、もう1つ電球を追加してはならない。アプリがそれを認識できなくなり、Philips Hueシステムをまた最初から設置し直さなければならなくなる可能性があるためだ。
Feland氏は、「自分のタブレット端末を使って子供部屋の照明をコントロールできるのは素晴らしいことかもしれないが、その目新しさはすぐに薄れてしまう。そして、そのシステムの存在自体が、すぐに忘れ去られてしまうのだ」と指摘する。
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