図研が設計段階から徹底できるEOL対策サービス:カタログ落ち情報から推奨部品選定まで(4/4 ページ)
図研は、カタログ情報という客観的データからEOL(End Of Life/生産中止)情報を割り出し、代替品調査、推奨部品選定支援までEOL対策を総合的にサポートするサービスの本格提供をこのほど開始した。PDM(製品データマネジメント)システムとも連携し、EOLリスクを設計段階から考慮した対策が行える。
EOLリスクの低い「推奨部品」を選定
そして、推奨部品の選定サービスは、カタログ落ち情報や代替品情報などさまざまな情報を総合して、「推奨部品」「一般部品」「非推奨部品」を決定し、情報提供するというものだ。推奨、非推奨の決定は、まず、EOLの時期が迫っているか、そうでないかというトレンドを4つのランクで振り分ける。EOL品はDランク、カタログ落ちや新モデルが発売された世代遅れ品がCランクで、原則「非推奨」となる。現行品がBランク、新製品がAランクとなり、このAランク、Bランクから「推奨部品」を選ぶ。「推奨部品」とする基準は、同一スペックのもの、それに準じる部品が他のサプライヤーから発売されているかどうかで決定する。
他社の「採用具合」も提供
さらに、この推奨/非推奨情報に加えて、この推奨部品の選定サービスを利用している顧客のうち何社が、その部品を「推奨」「一般」「非推奨」のどこに位置付けているか、という情報も提供する。「例えば、『現行品ながら代替品がなく“一般部品”扱いだが、他のユーザー2社が“推奨部品”に選定しているので、使用しても問題は少ないだろう』というように、客観的な判断材料として活用できる」(大沢氏)という。「このサービスが普及し、多くの企業間で、推奨、非推奨を統一していければ、EOL自体が減り、サプライヤー、ユーザー双方にとって大きなメリットをもたらすだろう」(大沢氏)との期待も寄せる。
電気PDM/CADシステムベンダーである図研は、こうした部品メンテナンス情報を、電気PDMシステム「DS-2」と連携、活用できるように整備。DS-2は、同社のCADシステム「CRシリーズ」とも連動。CAD上で基板設計者が、非推奨部品を使用した場合、CADが警告を発するといった活用が可能になる。「設計段階から、EOLリスクのある部品の採用を抑制でき、対策を徹底できる」(大沢氏)と語る。
部品メンテナンス情報サービスの提供価格は、カタログ落ち/EOL調査(1万点まで)が月額36万円、代替品調査(日系メーカー/40点まで)が月額24万円、推奨部品選定支援が年間250万円(対象は7製品ジャンル)となっており、別途、部品データベースのクレンジングサービスなども提供する。
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