GaN素子単体でノーマリーオフ、2017年に投入へ:トランスフォームが開発中(1/2 ページ)
トランスフォーム・ジャパンは現在、単体でノーマリー・オフ動作するGaNパワー素子を開発中だという。2017年には本格的に市場に投入する予定だ。ノーマリー・オフ動作を実現するために、MOSFETとカスコード接続するといった手法をとる必要がなくなる。
GaNパワー半導体を手掛けるTransphormの日本法人であるトランスフォーム・ジャパンによると、同社のGaNパワー半導体の開発および量産は順調だという。
GaN素子“単体”でノーマリー・オフ、2017年にも投入予定
トランスフォーム・ジャパンは「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月7〜10日、幕張メッセ)で、出力が2.4kWのPFC評価ボード、同3kWの単相インバータ評価ボードなど、出力容量の大きい評価ボードのラインアップを展示した。
同社の今後の製品ラインアップとしては、まず今後2〜3年で抵抗を低減した品種を発表していく。また、インダクタンスを気にする用途向けに、2個の素子を1パッケージに搭載した製品も発表する予定だという。
さらに、GaNパワー素子単体でノーマリー・オフの動作を実現する素子も開発している。基本的にGaNのスイッチ特性は、ゲート電圧が0でも電流が流れるノーマリー・オンである。パワー半導体では、安全面からノーマリー・オフが求められるため、GaNパワー素子と低耐圧のMOSFETをカスコード接続してノーマリー・オフを実現するといった手法がとられている。
トランスフォーム・ジャパンでは、こうした手法を用いなくても、単体でノーマリー・オフ動作するGaNパワー素子「E-mode(Enhanced-mode)」を開発中だ。このようなGaNパワー素子は他社も発表しているが、トランスフォーム・ジャパンは、「より使いやすい」ものを目指すという。耐圧は650Vレベルになるとしていて、2016年末にサンプル出荷を開始し、2017年には本格的に市場に投入する予定だ。
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