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ビジネスチャンスを逃さないOTP内蔵電池保護IC短納期かつ高精度を実現!(1/2 ページ)

ミツミ電機は2015年10月10日まで開催された「CEATEC JAPAN 2015」でウェアラブル機器にも対応したリチウムイオン電池関連ICの新製品を展示した。

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3週間以上を1週間に

 ミツミ電機は2015年10月7〜10日に開催された展示会「CEATEC JAPAN 2015」で、ウェアラブル機器にも対応する小型のリチウムイオン電池関連ICやセンサーの展示を実施。OTP(One Time Programmable:1回書き込み可能)メモリを内蔵したリチウムイオン電池用保護ICなどの新製品を公開した。

 リチウムイオン電池用の保護ICは、機器の仕様が固まった段階で、その仕様に応じたスペックにカスタマイズして提供するのが一般的だ。保護ICの詳細スペックのカスタマイズは、前工程のウエハー加工を終えた段階で、レーザートリミングにより調整される。そして、レーザートリミングからパッケージング/テストなどの後工程を経て出荷されるまでに3週間以上の時間を要する。「ユーザーである機器メーカーは、最終仕様が固まってから、所望の保護ICを手に入れるまで、“待ちぼうけ”という状態になることもあった」という。納期に時間を要するため、保護IC発注後の仕様変更も気軽には行えなかった。

 そうしたリチウムイオン電池用保護ICが抱える納期問題を解決する手段として、ミツミ電機が開発したのが、OTPメモリを搭載した保護IC「ME01」だ。保護ICの詳細なパラメータ設定をレーザートリミングではなく、OTPメモリを使って実施するものだ。OTPメモリへの書き込みは、パッケージングを終えた状態や基板実装後でも実施でき、「プログラムを行う場合でも納期は、1週間程度」と従来よりも大幅な短納期を可能にした。


保護IC「ME01」の説明パネル (クリックで拡大)

同時に精度高まり、電池駆動時間アップにも貢献


ブースでは、GUIツールを使い、実際に「ME01」に任意のパラメータを短時間で書き込むデモを実施した (クリックで拡大)

 OTPメモリによるパラメータ調整には、納期以外にも大きな利点がある。前工程終了段階で行う従来のレーザートリミングでは、その後の後工程や基板実装工程で、特性変化が生じ、精度劣化が生じた。一方で、OTPメモリによるパラメータ調整は、パッケージングや基板実装といった特性変化をもたらす工程を終えた段階で実施するため、「かなり特性のバラツキを抑えることができる」という。過充電検出電圧精度±5mV、過電流検出電圧±15%を達成。「保護ICの特性バラツキのため、電池使用範囲にマージンを持たせていたが、精度向上により、マージンを小さくでき、ME01を使うことで、5%程度電池使用範囲を広げることができるだろう」とする。

 消費電流は、最大6.0μA、平均3.5μA。1.09×0.81×0.38mmサイズのWLCSP品もあり、ウェアラブル機器用途での使用も想定する。

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