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中国VeriSiliconが米Vivanteを買収へ両社のCEOは兄弟(1/3 ページ)

中国のIPプロバイダーでカスタム半導体の設計サービスも手掛けるVeriSiliconは2015年10月12日、米GPU IPベンダーVivanteを買収すると発表した。買収を通じ、自動車市場でのビジネス強化などを図る方針。

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合併で自動車市場攻略を狙う

 中国の上海に拠点を置くIPプロバイダーであり、カスタム半導体の設計サービスを手掛けるVeriSiliconは2015年10月12日、米国カリフォルニア州サンタクララの組み込みGPU IPベンダーVivanteを、全株式取得によって買収する最終契約を締結したと発表した。

 VeriSiliconとVivanteはいずれも、株式非公開企業である。両社は、今回の取引に関する詳細についてはコメントを拒否しているが、2014年12月31日時点での両社の連結売上高が1億8000万米ドルを超えていたことを明かしている。

 VeriSiliconのCEO(最高経営責任者)であるWayne Dai氏は、EE Timesの電話インタビューに応じ、「VeriSiliconは、Vivanteのライセンス提供可能なGPUを入手することにより、成長の一途にあるIPポートフォリオをさらに刺激することができる。また、当社は今回の合併によって、ティア1の顧客基盤と接触する機会を増やせるだけでなく、Vivanteがこれまでに協業関係を構築してきた、実績あるトップクラスのOEMメーカーと共に、自動車市場に参入していくチャンスも得ることができる」と語っている。

投資家から提案で合併模索「兄弟で言い出してはいない」


VeriSiliconのWayne Dai氏(右)とVivanteのWei-Jin Dai氏(左)は、Marvell共同創業者のWeili Dai氏(中央)とともに2012年雑誌「Top China」の表紙を飾った

 Vivanteのプレジデント兼CEOであるWei-Jin Dai氏と、VeriSiliconのWayne Dai氏は、兄弟である。このため、今回の合併は、家族の間で計画されたのではないかとする見方もある。しかしWayne Dai氏は、EE Timesに対し、「今回の合併については、われわれ兄弟が最初に言い出したことではないかと思われているかもしれない。しかし実際は、VeriSiliconの投資家たちが最近になって提案してきたことだ」と述べている。

 VeriSiliconが現在所有している半導体IPポートフォリオは、デジタルシグナルプロセッサやビデオコーデック、ミックスドシグナルIP、ファウンドリファウンデーションIPに至るまで幅広い。同社のシリコンプラットフォームで提供可能なIPとしては、ライセンス可能なDSP「ZSP」をベースとしたHDオーディオや、HD Voice(高音質通話)、マルチベース/マルチモードのワイヤレスプラットフォーム、Hantro HDビデオプラットフォーム、音声/タッチ/モーションインタフェースに向けたミックスドシグナルNUI(Natural User Interface)プラットフォームなどが挙げられる。

 VeriSiliconにとって、VivanteのGPUコアやビジョンイメージプロセッサをポートフォリオに追加することは、顧客基盤を拡大し、自動車市場への参入を目指していく上で、非常に重要な意味を持つ。今や半導体業界の多くの企業が、最も注目すべき分野の1つとして、自動車市場を挙げているという。

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