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中国VeriSiliconが米Vivanteを買収へ両社のCEOは兄弟(2/3 ページ)

中国のIPプロバイダーでカスタム半導体の設計サービスも手掛けるVeriSiliconは2015年10月12日、米GPU IPベンダーVivanteを買収すると発表した。買収を通じ、自動車市場でのビジネス強化などを図る方針。

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懸念は、ARMとの関係

 しかし、VeriSiliconは今回の買収によって、世界最大のIPベンダーであるARMとの関係性を悪化させる可能性がある。


VeriSiliconのDSPコア「ZSP」のイメージ 出典:VeriSilicon

 ARMはこれまで、独自に開発したGPU IPコア「Mali」を推し進めてきた。最近では、自動車市場に参入したことで注目を集めている。しかしVeriSiliconのDai氏は、「当社は2005年に、中国初の設計メーカーとしてARMの承認を受けた。ARMとはそれ以来、密接な関係を維持してきた」と述べ、ARMとの衝突を懸念する声について否定している。

 VeriSiliconには、LSIから取得した独自のDSPコア「ZSP」がある。しかしWayne Dai氏は、「当社はTensilicaのDSPもサポートしてきたが、このDSPは現在、Cadenceが所有している。VeriSiliconの設計サービス事業として、顧客企業が必要としているさまざまなオプションを提供していくことが不可欠だと考えている」と述べる。

これまでも、複数案件で兄弟連携

 Vivanteは2007年の設立以来、Wayne Dai氏の兄弟であるWei-Jin Dai氏が指揮を執ってきた企業だ。しかしWayne Dai氏は、この事実とは関係なしに、VeriSiliconを最適な合併相手だと考えているようだ。Vivanteは、従業員数が130人で、設計拠点をサンタクララと上海、四川省の成都に置く。これらの拠点は、VeriSiliconの設計センターからも非常に近い。一方、VeriSiliconの従業員数は500人で、6つの研究開発センター(中国、米国、フィンランド)と、世界各国に9つの営業所を持つ。VeriSiliconのWayne Dai氏は、「両社の研究チームには、これまでに複数のプロジェクトで協業した実績がある」と述べる。

 さらに同氏は、「グラフィックスは、あらゆる種類のIPの中で、最も開発が難しい分野の1つだ。Vivanteは、強力なグラフィックス技術者から成る開発チームを有し、同社のビジョンイメージプロセッサIPコアは、ハイレベルのプログラムが可能な独自設計をベースとしている」と付け加えた。

大手顧客に採用されるGPU IP

 Vivanteは、最近発表したプレスリリースの中で、「当社のビジョンイメージプロセッサIPコア『VIP7000』ファミリは、アルゴリズムレベルでのプログラムが可能だ。このアプリケーション開発では、算術レベルではなくアルゴリズムレベルを基本的要素としている。アルゴリズムレベルでプログラマビリティを実現するという手法によって、シリコン面積と消費電力量を最小限に抑えながら、迅速なアプリ開発を実現することが可能になる」と主張している。

 Wayne Dai氏は、Vivanteのライセンス供与先については企業名を明かせないとしているが、「もちろんティア1の顧客企業だ」とだけ語った。

 Vivanteは2015年10月5日、同社にとってのマイルストーンを発表し、世界最大手の車載半導体メーカーがVivante製品を選んだことの他、トップ10のOEMメーカーのうち7社からGPUデザインウィンを獲得したことを明らかにした。


Vivanteが展開する自動車向けソリューション 出典:Vivante

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