アナログに続き、センサーでもリーダーになる:Maxim Integrated CTO Tony Stratakos氏(1/3 ページ)
アナログ半導体メーカーMaxim Integrated(マキシム インテグレーテッド)のCTO(最高技術責任者)に2015年8月に就任したTony Stratakos氏が来日し、EE Times Japanのインタビューに応じた。同氏は「Maximの業界でのリーダー的地位をさらに高めていく」とCTOとしての抱負を語った。
2015年8月、アナログ/ミックスドシグナル半導体大手のMaxim Integrated(マキシム インテグレーテッド)のCTO(最高技術責任者)にTony Stratakos氏が就任した。Stratakos氏は、Maximが2013年に買収したVolterra Semiconductorの創業者で、長くVolterraのCTOを務めてきた人物。ベンチャー企業から、老舗の大手アナログ半導体メーカーの技術開発を率いる立場と変わった今、CTOとしての抱負や技術開発の方向性、日本市場に対する期待感などについて聞いた。
高集積化をさらに進める
EE Times Japan(以下、EETJ) 2015年8月にCTOに就任されました。CTOとしての抱負をお聞かせください。
Tony Stratakos氏 CTOとしての使命は、Maximの業界でのリーダー的地位をさらに高めていくことだと考えている。具体的には、品質をさらに高めることが1つ。高い品質要求のある自動車用途で採用数を増やしていくことが、品質面で業界のリーダーであることを示せるだろう。
そして、社名にもある“Integrated”(=高集積化)を一層進める。シングルチャンネルのDC-DCコンバータが対応する電流値は、競合他社は15〜20A程度である中で、当社は50Aに対応するなど、群を抜いた高集積化技術を持っている。こうした高集積化技術を高めることが“リーダーの証”となる。
Maximの強みは「技術開発に対する積極性」
EETJ Stratakosさんは、(2013年にMaximが買収した)Volterra Semiconductorの一員として、Maximに入社されました。入社以前、同業他社としてMaximをどのように見られていまいましたか。
Stratakos氏 大学を出てから、すぐにVolterra Semiconductorを創業することになったのだが、実は創業前に、Maximの面接を受けており、憧れの存在だった。そういう意味でも、Maximに加われたことは光栄だと思っている。
Maximの良い点、すなわちリーダーである理由は、積極的に研究開発に投資し続ける姿勢だと考えてきた。売上高に対する研究開発費の割合は例年20%以上になっている。この値は、同業他社よりも高く、Maximが業界のリーダーとなる技術、製品を生み続ける源になっていると、Maximに加わった今もそう思っている。
EETJ Maxim入社後は、先端R&D担当のバイスプレジデントを務められてきました。
Stratakos氏 顧客が求める製品を作り出すための土台、プラットフォームに相当するプロセスやパッケージ、アーキテクチャ技術の開発を担当してきた。
この2年間、強く意識してきたことは、“先を見越した投資”を行うことだった。5年間という長期の計画を持ち、じっくりと時間を掛けて、革新的な基盤技術を生み出していく体制をより強くしてきた。こうした長期計画で研究開発を進めていく点も、他にないもので、Maximの強みを生み出す要因だろう。CTOとしても、これまでの2年間と同じく、長期ビジョンを持った研究開発戦略を徹底していく。
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