IBMの「Watson」、スポーツ分野に浸透へ:人工知能の新市場(1/2 ページ)
IBMの人工知能「Watson」が、スポーツ分野で採用され始めている。Watsonを搭載したヘッドバンドを選手に取り付け、脳震とうを起こしてないかをトラッキングするといった方法で使われている。
人工知能の活用分野、裾野が広がる
IBMが全体的に好調な業績を上げている中、同社の人工知能(AI)「Watson」を専門に手掛ける事業部「IBM Watson Group」は、複数のデザインウィンを獲得しているという。
同社は今回、Triax TechnologiesとSpare5、113 Industriesとの間でパートナー契約を締結し、各社それぞれがWatsonの機能を活用していく予定であることを明らかにした。スポーツ関連の統計データや、メディア/医療関連のデータベースを即座にふるいにかけることにより、アスリートの健康状態を維持するための要件や、ファンにリピーターになってもらうための方法など、さまざまな分析データを、競技場にいるコーチやマネジャーなどにリアルタイムで提供することを目指すという。
Triax Technologiesは、Watsonの認識能力の開発において協業することにより、競技をしているアスリートの脳の状態をトラッキングし、脳震とうの発生を抑制していきたい考えだ。
IBMでWatsonエコシステム担当バイスプレジデントを務めるLauri Saft氏は、EE Timesのインタビューに対し、「Triax Technologiesとの協業によって、同社のウェアラブルデバイスに、自然言語を理解して感情を分析する技術『Watson Personality Insights API』を組み込んでいく。これにより、アスリートのパフォーマンスや身体状況、ゲームの統計データなどといった膨大なデータソースの中から洞察を導き出すことができるようになる。同社のウェアラブルデバイスの機能強化につながるだろう。コーチやトレーナー、アスリートたちは、このような洞察から、アスリートの能力の状態について全体像を把握できるようになる」と述べている。
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