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IoT向け新規格「IP500」、オムロンなどがデモドイツ主導の新たな無線規格

トーメンエレクトロニクスは「第1回 IoT/M2M展」にて、IoT向けの新しい無線規格である「IP500」を紹介した。IP500は、認知度はまだ低いものの、ドイツ主導の規格として注目され始めているものだ。トーメンエレクトロニクスのブースでは、オムロンやロームが、IP500の応用例をデモ展示した。

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 トーメンエレクトロニクスは「第1回 IoT/M2M展」(2015年10月28〜30日、幕張メッセ)で、IoT向けの近距離無線通信規格である「IP500」を採用した製品のデモを展示した。

ドイツ発祥のメッシュネットワーク

 IP500は、ドイツ発祥の団体「IP500 Alliance」が推進する無線規格で、センサーネットワーク向けに最適化されたメッシュネットワーク規格である。物理層にはIEEE 802.15.4を採用し、920MHz帯を使って通信を行う。日本では2015年2月に「IP 500 Alliance Japan」が発足していて、現在、オムロン、ローム、富士通、豊田通商、スタビリティが加盟している。トーメンエレクトロニクスは、IP500向けの通信モジュールの開発や販売を手掛けているという。

 IP500の応用分野としては、煙探知や不法侵入探知といったセキュリティの他、スマートシティやスマートグリッド、ウェアラブル機器、スマートファクトリー・スマートホームがある。IP500 Allianceは、その中でもセキュリティとスマートファクトリーに重きを置いているが、IP 500 Alliance Japanの代表を務める豊崎禎久氏は、「スマートカー、エンターテインメント、OA機器といった、日本特有の市場にも注力したい。さらに、減災に活用することも重要視している」と話す。

オムロンやロームが用途を提案

 トーメンエレクトロニクスでは、まだ認知度が低いIP500の啓もう活動も兼ねて、ブース内にIP500を紹介する専用コーナーを設けた。オムロンは、そのコーナーで、同社の環境センサーを使ったデモを披露した。このセンサーは、温度や湿度、震度(SI値)などを測定することができるもので、無線技術を手掛けるドイツ・CoreNetiXのIP500対応通信モジュールを搭載している。ベルリンにあるCoreNetiXのオフィスに設置した同センサーのデータを、リアルタイムに表示するデモも行った。センサーのデータはIP500を使ってクラウドにアップされている。

環境センサーセンサーのモニタリング 左=オムロンの環境センサー(写真奥の小型の白い機器)と、CoreNetiXのIP500対応開発キット。IP500向けの通信モジュールを搭載したもので、左側が送信器、右側が受信器である / 右=CoreNetiXのベルリンオフィスの温度、湿度、照度をリアルタイムでモニタリングしていた(クリックで拡大)

 同じコーナーでは、ロームが、無線で制御できるLED照明を展示した。スマートフォンやタブレット端末を使って、LED照明のオン・オフや、LED照明を使った空間演出などができるというもの。LED照明は、Webサーバを搭載したゲートウェイに接続されていて、このゲートウェイにモバイル端末からWi-Fi経由でアクセスすることで、LED照明を自由に制御できる。なお、今回のデモでは、LED照明とゲートウェイ間の通信に特定小電力無線を用いていたが、IP500を採用する際は、この部分に利用することになる。

ロームのLED照明「IP500 Alliance」のコーナー 左=ロームのLED照明。将来的には、IP500通信モジュールが搭載されることになるという / 右=トーメンエレクトロニクスのブース内に設置された、「IP500 Alliance」のコーナー(クリックで拡大)

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