Qualcommの低迷続くも、「Snapdragon」は好調:2015年7〜9月期は減収減益(2/2 ページ)
Qualcommの低迷が続いている。同社の2015年度第4四半期(7〜9月期)は減収減益となった。ただし、明るい兆しもある。最新のプロセッサ「Snapdragon 820」が、60ものデザインウィンを獲得したことだ。
減収減益も「Snapdragon」はデザインウィン獲得
Qualcommの2015会計年度第4四半期の売上高は55億米ドルで、前年同期比で18%減、前期比で6%減となった。利益は11億米ドルで、前年同期から44%、前四半期から10%、それぞれ減少した。2015会計年度の売上高は2015年から5%減となる253億米ドルで、利益は同34%減となる53億米ドルだった。
Qualcommの業績は低迷しているものの、金融業界の業績予想をわずかに上回る結果だった。同社はスマートフォン市場のさらなる減速に備えて、2015年7月に全社員の15%を削減する大規模なリストラ計画を発表している。同社は、2016年秋以降、売上高と収益がプラスに転じ、2016会計年度は“転換の年”になると予想している。
Qualcommにとって明るい兆しの1つが、最近発表した「Snapdragon 820」プロセッサで60ものデザインウィンを獲得したことだ。ただし、その中にAppleの「iPhone」に次いで売上高2位を誇るSamsungの次世代ハイエンドスマートフォンが含まれているのかどうかは明らかにされていない。
Aberle氏は、QualcommとSamsungの協力関係が「より強固になっている」としている。中国では、QualcommはこれまでにHuawei、TCL、ZTEという大手3社と契約を締結した他、現在交渉中のメーカーも多数あるとしている。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Qualcommのリストラは、技術者を軽視した愚行だ
約4700人を解雇すると発表したQualcomm。この決断に至るには、Qualcommの大株主であるJana Partnersからの要請があったのではないかと推察される。だが、この大株主からの要請は、Qualcommの技術開発力を考慮していない、無情なものではないだろうか。 - さらなる大型買収劇はあり得るのか?――IntelとQualcommの統合の可能性を検証
半導体業界の再編が加速している。2015年だけで、既に複数の大型買収案件が報じられた。この動きはまだ続く可能性が高い。6月1日にAlteraの買収を発表したIntelだが、これ以上の大型買収劇はあり得るだろうか。例えば、Qualcommとの統合の可能性を検証してみたい。 - Qualcommの勢いに陰り、AppleやSamsung以外の顧客獲得を模索
Qualcommの勢いに陰りが見え始めている。モバイル機器向けSoC(System on Chip)で上昇気流に乗り、成長が続いている同社だが、スマートフォンという1つの市場への依存度が大き過ぎることが、問題の種となっているようだ。 - TI、半導体再編の波に動じず
半導体業界のM&Aが相次ぐ中、Texas Instruments(TI)は、このような流れに乗る必要性はまったくないと話した。