QualcommとXilinx、異種コア混在技術で提携:ビッグデータ解析などの処理負荷にも柔軟に対応
QualcommとXilinxは、戦略的技術提携を行ったと発表した。両社はそれぞれが得意とする先端のプロセッサ技術とFPGA技術を持ち寄り、データセンター用装置に向けたヘテロジニアスコンピューティングソリューションを提供していく。
Qualcomm(クアルコム)とXilinx(ザイリンクス)は2015年11月、戦略的技術提携を行ったと発表した。両社はそれぞれが得意とする先端のプロセッサとFPGAの技術を持ち寄り、データセンター用装置に向けたヘテロジニアスコンピューティングソリューションを提供していく計画である。
両社は、クアルコムの子会社であるQualcomm Technologiesが有する64ビットアーキテクチャ「ARM v8」ベースのサーバー用プロセッサと、ザイリンクスが提供する、ソフトウェア定義でハードウェアを最適化する「All Programmable技術」を用いたFPGA製品群の技術を組み合わせる。これによって、システムとして極めて高い演算性能を実現していくと同時に、単位ワット当たりの性能など高い電力効率、総所有コストの削減も達成していく考えである。
ザイリンクスのAll Programmable対応製品は、拡張性に優れ、演算回路の再構成が可能である。このため、処理するアプリケーションによって、ハードウェアに対する演算性能要求が変化した場合でも、動的に演算回路を再構成すれば、ワークロードに応じて最適なハードウェアを実現することが可能となる。
両社は、今回の提携で得られる成果を、ビッグデータ解析や機械学習、データストレージなど、クラウドコンピュータ向けの技術基盤として提案していく。
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