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偽造ICを判別できる“魔法の粉”、その正体は?光を当てて識別(2/3 ページ)

米国の新興企業が、偽造薬品や偽造チップを判別する新しい技術の開発に取り組んでいる。同技術の要となっているのが、直径数ミクロンという非常に小さな粒子だ。

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コーティング剤などに混ぜて使う

 シリカの粉は、コーティング剤などに混ぜて、医薬品やICのパッケージに塗布するといった方法で使うことができるという。

 例えば、ある構造で作り込んだナノポアを持つシリカがあるとする。そのシリカを混ぜたコーティング剤を錠剤に塗っておく。さらに、その錠剤の名称や製造・販売元などのデータをクラウドに保存し、反射光パターンとひも付けておく。すると、錠剤に光を当てて得られた反射光パターンから、一連のデータを引き出すことができることになる。反対に、ひも付けられているはずのデータが出てこなければ、“偽造品”と判定できるのだ。

コーティング剤を塗布した錠剤専用のリーダー端末で、シリカにひも付けられたデータを読み出す 左=シリカを混ぜたコーティング剤を塗布した錠剤 / 右=卓上型の専用のリーダーに錠剤(赤枠内の中央)をセットし、シリカにひも付けられたデータを読み出している。リーダーのサイズは、横30×縦20×高さ10cm程。読み出しには、数十秒程かかった。含まれている成分や製造元、ロット番号など、さまざまな情報を登録できる(クリックで拡大)

あらゆるモノに“DNA”を

 TruTagは、TruTag Technologiesの共同創設者兼チェアマンであるHank C.K. Wuh氏らが、偽造医薬品向けに開発した技術だ。医学博士でもあるWuh氏は、市場に出回る偽造医薬品を除外すべく、“本物”を正確に識別できる技術の開発に取り組んできた。

 同氏によれば、シリカを選んだ理由は4つあるという。まず、融点が約1600℃と非常に高いこと。融点が高ければ、車載部品などにも使える。次に、微細な粒子であること。安価に量産できること。そして食べても大丈夫なほど安全性が高いことである。「そもそも粒子が微細すぎて目に見えないため、タグのように“偽造”することができない。初めは医薬品向けの技術として開発してきたが、現在は、エレクトロニクス業界や自動車業界もターゲットとしている」(Wuh氏)。

TruTagのターゲット分野の例新型の専用リーダー 左=TruTagのターゲット分野の例 / 右=新型の専用リーダーが、2015年11月中にも発表される予定だ(クリックで拡大)

 Wuh氏は、「TruTagは、錠剤やICなどに1つ1つ“DNA”を与えるような技術だ。あらゆるモノに“DNA”を与えることで、それらはトレーサブル(製造元などをたどれること)になる。将来的には、スマートフォンに内蔵されたライトを当てると、そのモノにひも付けられた情報がスマートフォンの画面に表示されるようなシステムを作りたい」と語った。なお、TruTagは、2014年1月に開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、先進的な技術開発を手掛けた企業に贈られる「テクノロジーパイオニア賞」を受賞している。

TruTag TechnologiesのWuh氏TruTag Technologiesの従業員の皆さん 左=TruTag Technologies チェアマンのHank C.K. Wuh氏(右)と、COO(Chief Operating Officer)のPeter M.O. Wong氏 / 右=TruTag Technologies シリコンバレーオフィスの皆さん(クリックで拡大)

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