シリコンラボ初代CMOが語る“IoT時代の戦略”:Threadが日本でも普及?(3/3 ページ)
シリコン・ラボラトリーズで初となる最高マーケティング責任者(CMO)に2014年4月に就任したMichele Grieshaber氏が来日し、EE Times Japanのインタビューに応じた。同社の強みである“コネクテッド”、“ローパワー”に関する技術を生かし、IoT(モノのインターネット)市場へ向けたさまざまな製品を提供していくという。
日本でもThreadは普及する
EETJ 日本のIoT市場では、認証の手間やコストのかかるZigBeeなど相互接続が担保された無線プロトコルよりも、独自プロトコルの無線通信が好まれる傾向にあります。
Grieshaber氏 実際、Threadは、Google傘下のNest Labs のホームオートメーション端末「Nest」の無線として注目を集めたこともあり、北米での普及が先行している。しかし、最近は、欧州でも高い注目を集めてきている。欧州はこれまで、独自プロトコル、そしてサブギガヘルツ帯が好まれる市場だったにもかかわらず、Threadグループへの欧州企業の参加が増え始めている。最近では、欧州のニーズに応じて、サブギガヘルツ版Threadの規格化も議論され始めたほどだ。
おそらく、こうした流れは世界的に広まり、日本でも1つの無線通信規格として、Threadが普及していくだろう。既にそうした動きは日本でもあり、ビジネスチャンスだと考えている。
IoT事業の売り上げはほぼ50%「まだまだ伸びる」
EETJ シリコンラボにとって、IoT事業は新事業ですが、現状、全社売り上げに占めるIoT事業売上高の割合はいくらぐらいですか。
Grieshaber氏 マイコン、無線通信、センサーを合わせたIoT製品は年間25%増ペースで伸びている。売り上げに関しても、ほぼ全社売上高の半分程度まで達している。今後もこの伸びは続いていくだろう。
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