連載
不揮発性メモリを脳神経コンピューティングに活用:福田昭のデバイス通信 IEDM 2015プレビュー(7)(1/3 ページ)
今回はセッション16〜18の講演を紹介する。セッション17では、不揮発性メモリを利用したニューロモルフィックシステム(脳神経系を模倣した低消費電力システム)の講演が相次いだ。
高効率のGaN MOS-HEMTをIntelが試作
12月に開催予定の国際学会「IEDM 2015」から、カンファレンス2日目である12月8日(火)の午後に予定されている技術講演を解説する。この時間帯では、セッション16からセッション22までの7本のセッションが並行に進む。
今回は3つのセッション、すなわちセッション16(パワーデバイスと化合物デバイス)とセッション17(回路とデバイスの相互作用)、セッション18(プロセス技術と製造技術)の講演をご紹介しよう。
セッション16(パワーデバイスと化合物デバイス)のテーマは、「ワイドギャップ・パワーデバイスの進化」である。このセッションはフォーカスセッションでもあり、すべての講演が招待講演で構成されている。
Intelは、DIBL(Drain Induced Barrier Lowering)特性を改良するとともにオフ電流を低減したGaN MOS-HEMTの研究成果を報告する(講演番号16.3)。高誘電率絶縁材料によって酸化膜厚換算で2.3nmのゲート絶縁膜を実現したことが、DIBLとオフ電流の低減に寄与した。ゲート長が90nmのエンハンスメントモードGaN MOS-HEMTを試作し、電源電圧が4.0Vのときに出力0.8W/mmと電力付加効率(PAE)70%、電源電圧が1.5Vのときに出力0.2W/mmとPAE50%の性能を得ている。用途としてはスイッチング電源や高周波分野などが適しているとする。
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