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不揮発性メモリを脳神経コンピューティングに活用福田昭のデバイス通信 IEDM 2015プレビュー(7)(2/3 ページ)

今回はセッション16〜18の講演を紹介する。セッション17では、不揮発性メモリを利用したニューロモルフィックシステム(脳神経系を模倣した低消費電力システム)の講演が相次いだ。

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メモリセルをニューロコンピューティングのシナプスに見立てる

 セッション17(回路とデバイスの相互作用)のテーマは、「ニューロモルフィック・コンピューティング技術」である。このセッションでは、不揮発性メモリを利用したニューロモルフィックシステム(脳神経系を模倣した低消費電力システム)の講演が相次ぐ。

 IBM T.J. Watson Research CenterとIBM東京基礎研究所、IBM Research Almadenの共同研究チームは、相変化メモリ(PCM)セルを256✕256個のマトリクス状に配置したニューロモルフィックシステムを発表する(講演番号17.1)。相変化メモリセルのシナプスアレイにオンチップのニューロン回路を組み合わせることで、リアルタイムな学習システムを構成した。

 CEAを中心とする共同研究グループは、縦型構造の抵抗変化メモリセルをニューロモルフィックシステムに応用することを検討した結果を報告する(講演番号17.2)。1個のシナプスを、1個の縦型(柱状)メモリセルがエミュレートする。抵抗変化膜は二酸化ハフニウム(HfO2)。試作したメモリセルのスイッチング時間は20ns、スイッチングサイクル寿命は107回である。高温特性では温度が200℃でも抵抗値を安定に維持した。

 University of Michiganは、インメモリ・コンピューティングを効率的に実行するアーキテクチャの開発成果を発表する(講演番号17.5)。抵抗変化メモリといった不揮発性メモリで構成するクロスバアレイで論理演算を実行する。並列に構成した1ビットの全加算器をシミュレーションで検証するとともに、実際に作製した。さらに、2ビットの乗算器と2ビットの全加算器によって4ビットの乗算器を実現した。


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