万年ダイエッターにささげる、“停滞期の正体”:世界を「数字」で回してみよう(22) ダイエット(6/10 ページ)
ダイエッターの心を蝕む最も大きな要素の1つに、「停滞期」があります。実際、停滞期から抜け出せずに挫折してしまったという方もいるのではないでしょうか。今回は、私たちダイエッターを悩ます“停滞期の正体”を、「超シンプル体重シミュレーション」という、エンジニア的な視点で探ってみましょう。
無限に太り続けないのは、なぜなのか?
ところで皆さんは、ダイエットをしていない時に、無限に太り続けないのはなぜだろうか ―― と考えたことはありませんか?
「摂取カロリー<基礎代謝カロリー+運動消費カロリー」が、減量の絶対方程式であるなら、 この不等式を、引っくり返せば「太り続ける」ことができるはずです。
例えば、現在、体重66.5kgの私の基礎代謝カロリーは、1518kcal(キロカロリー)/日で、それに運動消費カロリー708kcal/日(歩行70分+電車60分+デスクワーク480分を週5日間として)を加えると2220kcal/日程度になります(このような計算をしてくれるサイトは、ネット上にたくさんあります)。
ですから、その2220kcal/日を超える食事を取り続ければ、永久に太り続けることができるようにも思えます。
実際、2220kcal/日を超える食事をすることは、簡単です。
私がマクドナルドで、ビッグマック、マックフライポテト(Mサイズ)、チキンマックナゲット(5個)、コーラ(Mサイズ)を頼むとすると、合計1382kcalですので、これを朝夕2食食べるだけでも、540kcal超過します。ここに吉野家の牛丼(並盛)660kcalを追加すれば、1140kcal/日超過です。
さて、体重を1g増やすためには、7kcalのエネルギーが消費されずに体内に蓄積されれば足ります。ですから、上記のマクドナルドと吉野家で、私は1日163gの増量が可能です。このペースを続ければ、1年間に60kg太ることができ、16年後には、私の体重は1トンを超えるはずです。
しかし、このようにはなりません。
この食事(食事が違っても同じカロリー量であれば可)を、死ぬまで続けたとしても、私の体重は、絶対に118kgを超えることができないのです。
なぜ、このような計算(シミュレーション)ができるかというと、「7kcal=1g」ということが、あらかじめ分っているからです。
エネルギーがどこかに消えてなくなることがない(エネルギー保存法則)以上、「7kcalを余分に使えば1g痩せて、7kcalを余分に残せば1g太る」――。結局のところ、ダイエットとは、たったこれだけの単純な足し算と引き算のことなのです。
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