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万年ダイエッターにささげる、“停滞期の正体”世界を「数字」で回してみよう(22) ダイエット(5/10 ページ)

ダイエッターの心を蝕む最も大きな要素の1つに、「停滞期」があります。実際、停滞期から抜け出せずに挫折してしまったという方もいるのではないでしょうか。今回は、私たちダイエッターを悩ます“停滞期の正体”を、「超シンプル体重シミュレーション」という、エンジニア的な視点で探ってみましょう。

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医師が考える、最も効果的なダイエットとは?

江端:「先生。私、これまで相当数のダイエットの本を読んできましたが、正直、もう『何が何だか分からない』という状態です。どうでしょう。先生たちの経験から、『これは確実に効果がある』と断言できるダイエット法を、一つ、バシっと言い切ってもらえませんか?」

 かなりムチャな質問であることを知りつつも ―― 多分、その時の私は、ダイエットの検討で疲れ果てていたのだと思います。

 伊藤先生と久保寺先生のお二人は、顔を見あわせて頷いた後に、おっしゃりました。

先生:「現時点において、最も効果があると認められるものは、「レコーディング」ダイエットですね」

江端:「食事の内容と体重を、毎日メモし続けるという、アレですか?」

先生:「正直、そこまでしなくてもいいのです。体重を記録してグラフに書き込むだけで十分ですし、さらに面倒なら『体重計に乗るだけ』でも、十分な効果が期待できます」

江端:「そんなに、効果があるものなのですか?」

先生:「レコーディングダイエットは、『体重の見える化』ばかりに視点が行きがちなのですが、実はそこだけが重要なのではありません。ダイエットというのは人間の数だけパターンがありますので、自分にとって一番良いダイエット法は、自分の身体に直接ヒアリングをすることなのです」

江端:「自分の身体にヒアリング……?」

 ―― つまりですね、

  • 自分は、何時ごろに何を食べたら太りやすいのか
  • その逆に、自分の体重を減らす為に最も効果のある食べ物は何なのか
  • バイキングレストランに行った影響は何日後に体重に表われ出すのか
  • ダイエットを開始した場合、『どのくらいの期間、”停滞期”を我慢しなければならないのか』

などを、自分の身体に直接尋ねるのですよ――。

江端:「ブラックボックスアプローチ*)……」

*)システム内部を完全に理解しないで、今までのシステムの動きだけを使って行う制御手法

先生:「『レコーディングダイエット』は、今日までのダイエットの経験(失敗も含めて)が、そっくり明日からのダイエットに活用できる、という点で優れているのです」

 確かに、さまざまな自分の身体に特有のダイエットの知見が集まれば、例えば―― 2週間後に、ピッタリ2.4kg減量する ―― というような、超絶巧な体重コントロールだって、理論上は可能となるはずです。

 そして、本当にそれを実現している人もいます(プロボクサーへのインタビューは、次回以降に掲載予定です)

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