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業界トップ10入りするON Semiが事業戦略を説明車載、通信、産業機器に焦点(1/3 ページ)

ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2015年12月8日、グローバルな事業戦略に関する記者説明会を都内で開催し、車載、通信、産業機器の3分野への注力を強め事業成長を図る方針を打ち出した。

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11月にFairchild買収を発表

 ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2015年12月8日、グローバルな事業戦略に関する記者説明会を都内で開催し、車載、通信、産業機器の3分野への注力を強め事業成長を図る方針を打ち出した。同時に、日本を本拠とする製品事業部門「システム・ソリューションズ・グループ」(以下、SSG)を軸に、日本での製品開発、製造を継続強化し、日本国内での存在感を高めていくとの考えを示した。

 同社の売り上げ規模は、2015年第3四半期(7-9月)実績ベースで年間換算すると約35億米ドル。2014年実績の約32億米ドルから10%近い成長ペースであり、「業界水準を上回る収益成長率を維持できている」(同社コーポレートストラテジ&マーケティング担当副社長のDavid Somo氏)と好調だ。


ON Semiconductorの事業規模概要 (クリックで拡大) 出典:ON Semiconductor

David Somo氏

 好調の要因は、積極的な買収戦略と製品開発強化により構築してきた広範な製品構成だ。2014年には、アプティナ(Aptina)、トゥルーセンス(Turesense)というイメージセンサーメーカー2社を買収し、成長著しい車載用イメージセンサー市場で「世界シェア45%を占める首位」(同氏)というポジションを得ることに成功している。

 アナログ/パワー半導体領域でも2015年11月に、Fairchild Semiconductor(フェアチャイルドセミコンダクター)を24億米ドルで買収すると発表した*)。買収完了時期は2016年4〜6月の見込み。

*)関連記事:オンセミ、フェアチャイルドを24億ドルで買収へ

「補完関係にある」

 Fairchild買収についてSomo氏は、「当社のパワーデバイスは、DC/DC変換を中心にした低〜中耐圧が主軸だったのに対し、Fairchildは、AC/DC、DC/AC変換向けを中心にした中〜高耐圧デバイスが主力。両社は、補完関係にあり、買収により低〜高耐圧の全領域をカバーできる」と利点を語る。


Fairchild Semiconductor買収の狙い (クリックで拡大) 出典:ON Semiconductor

 さらに、Fairchildの買収に伴い売り上げ規模も大幅に底上げされる見込み。Fairchildの2015年売上高見込みは、13億米ドル超。単純合計だが、買収後のON Semiconductorの売り上げ規模は48億米ドルを上回り、いよいよ「メモリを扱うメーカーを除いた半導体メーカーとして、トップ10入りする」(同氏)。


2015年売り上げ予測に基づくメモリ取り扱い企業を除く半導体メーカー売上高 (クリックで拡大) 出典:ON Semiconductor

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