オンセミ、フェアチャイルドを24億ドルで買収へ:“世界初のICメーカー”が売却へ
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)が、Fairchild Semiconductor(フェアチャイルドセミコンダクター)を24億米ドルで買収すると発表した。
ON Semiconductorは2015年11月18日(米国時間)、Fairchild Semiconductorを買収することで合意したと発表した。買収額は1株当たり20米ドルで、24億米ドル(約2900億円)相当になる見込み。取引は全て現金で行われる予定だ。買収完了は、2016年第2四半期になるとしている。
買収後のON Semiconductorは年間売上高50億米ドルを見込み、パワー半導体の分野では第2位のメーカーになるという。特に、車載、産業機器、スマートフォンに強みを持つことになると、同社は述べている。
Fairchild Semiconductorは2015年10月に、売却先を探しているとの報道が流れた。その際、Infineon TechnologiesやON Semiconductorと売却の交渉を行っているとされた*)。1957年に設立されたFairchild Semiconductorは、世界初のICメーカーとされている。
*)関連記事:フェアチャイルドも身売り検討か
止まらないM&A
2015年は活発なM&Aが続いてきたが、ここにきてまた1つ、大規模な買収が発表されることになった。米国の市場調査会社IC Insightsが2015年9月に発表したリポートでは、同月時点での買収案件が総額で726億米ドルに上っていた。これは、2010〜2014年の半導体業界における年間平均買収総額の約6倍に相当するという。
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