「CES 2016」の見どころは? アナリストに聞く:引き続き、自動車には高い注目が(3/3 ページ)
世界最大規模の国際家電ショー「2016 International CES(CES 2016)」の開幕が約3週間後に迫っている。2015年のCESに続き、ことしも自動車関連の展示は大いに盛り上がると予想されている。一方で、スマートフォン関連の展示は、目新しいものが比較的少ないとの見方もある。
発展し続ける4Kテレビ市場
Bajarin氏は、「4Kテレビは価格が下がり需要が伸びているため、CES 2016では数多く展示される見通しだ」と予想する。O’Donnell氏も、「4Kは技術的な目新しさはないが、市場は発展し続けている」と語っている。
CES 2016では、8Kテレビもお目見えすると予想される。ただし、8K市場が本格化するのは早くても5年後になるとみられる。2020年に開催される東京オリンピックは8Kで放送される可能性もあるが、そうなれば、8Kテレビの需要に弾みがつくと考えられる。
Bajarin氏はこの他、「テレビ業界は今、大きな転換期にあり、今後はビデオストリーミング市場の拡大が予想される。現在、ほぼ全てのキー局がコンテンツの配信を行っていて、ビデオストリーミングは急速に普及している」と述べている。
スマートフォンにとっては厳しい年に?
2015 CESで披露されたスマートフォンは、目新しさに欠けていた。O'Donell氏は、携帯電話機メーカーにとっては、真価が問われる年になるだろうと述べる。Appleも例外ではない。Bajarin氏は、スマートフォン関連の半導体ICについては、CES 2016よりも、2016年2月にスペイン バルセロナで開催される「Mobile World Congress」での発表が多くなるだろうとみている。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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