開催1週間前にQFN対応! ミニマルファブの進歩:SEMICON Japan 2015会場レポート(1/2 ページ)
産業技術総合研究所、ファブシステム研究会、ミニマルファブ技術研究組合は、2015年12月16日に開幕した展示会「SEMICON Japan 2015」で、開発を進めるミニマルファブの展示を行った。
産業技術総合研究所(産総研)、ファブシステム研究会、ミニマルファブ技術研究組合は、2015年12月16日に開幕した展示会「SEMICON Japan 2015」(東京ビッグサイト/2015年12月16〜18日)で、開発を進めるミニマルファブの展示を行った*)。
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今回は2014年に開催された「SEMICON Japan 2014」と比較し、後工程(パッケージング)装置が追加され、BGA/QFNパッケージの製造が可能になったという。QFNパッケージは、メガファブ品も含めた8.8mm角以下のチップに対応。説明員によると、「QFNパッケージの製造は、SEMICON Japan 2015開催の1週間前に成功した」という。
ミニマルファブは最終的に、全工程において1プロセス当たり60秒の処理時間を目指すことで、年間生産能力50万枚(直径12.5mmウエハー換算)を実現したいとしている。
ミニマルファブとは?
ミニマルファブは、直径12.5mmのウエハーを使用して製造する。各製造装置の外径サイズは、294×450×1440mmで全て統一されている。幅が294mmに統一されているので、最低300mmピッチで装置の連結配置を可能にするという。局所クリーン化気密洗浄ドッキングシステムによって、クリーンルームレスを実現した。これにより、1ラインの投資額はメガファブの約5000億円に対して、ミニマルファブは約5億円で済むのが特長的だ。
プロジェクトの始まりは、2010年にスタートしたファブシステム研究会にある。2012年5月9日にミニマルファブ技術研究組合が設立し、経済産業省関連予算「革新的製造プロセス技術開発(ミニマルファブ)」の採択を受けた。2014年度までの3年間の国家プロジェクトとしてミニマルファブの研究開発が始まったのだ。大量生産ではなく、多品種少量/変種変量生産にも柔軟に対応できる新しい製造ラインモデルを提案している。
ミニマルファブは、2013年にp-MOSFET、2014年にインバータ、2015年はリングオッシレーターの試作デモを会場で行うといった成果を出している。
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