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中国中堅タブレットにみたIntelの執念製品分解で探るアジアの新トレンド(1)(1/3 ページ)

“グローバル競争の主戦場・アジア”に出回るスマートフォンやタブレット端末などエレクトロニクス製品の分解を通じ、アジアから発信される新たなテクノロジートレンドを探っていく新連載「製品分解で探るアジアの新トレンド」。第1回は中国のスマートフォン/タブレット市場で「シェア第2グループ」に属するメーカーのタブレット端末2機種を分解して見えてきたトレンドを紹介する。

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製品分解で探るアジアの新トレンド(icon)
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 40億人超の人口を抱えるアジア。著しい経済発展を遂げ、欧米を上回る巨大な消費市場へと変ぼうした。

 世界展開するエレクトロニクス企業にとって、この巨大なアジア市場の攻略が不可欠だ。これまで欧米や日本など先進地域で勝ち抜いてきたグローバル企業はこぞってアジア攻略に着手している。地元アジア企業も目覚ましい成長を遂げ、欧米を中心としたグローバル企業を迎え撃っている。

 今やアジア市場は、“グローバル競争の主戦場”といえ、エレクトロニクス企業各社は、最先端のテクノロジー、マーケティング手法を駆使して、アジア攻略に取り組んでいる。

 本連載では、さまざまな電子機器の分解レポートを提供する日本企業テカナリエのエンジニアが“グローバル競争の主戦場・アジア”に出回るスマートフォンやタブレット端末など電子機器の分解し、アジアから発信される新たなテクノロジートレンドを探っていく。

 連載第1回は中国のスマートフォン/タブレット市場で「シェア第2グループ」に属する中国メーカー「CHUWI」と「Teclast」のタブレット端末2機種を分解して見えてきたトレンドを紹介する。


中国準大手タブレット2社の端末を分解

 中国では2010年以降、中国地場メーカーの半導体チップを採用したタブレット端末やスマートフォンが増えている。そして、2015年からは、シェア第2グループ(シェアトップグループはHuaweiなど)に位置する準大手メーカーが、タブレット端末やスマートフォンへの対応に出遅れたIntelのチップセットを採用し始めているのだ。

 図1に、中国CHUWIのタブレット端末「Vi7」の写真を掲載する。

CHUWIのタブレット端末「Vi7」
図1 CHUWIのタブレット端末「Vi7」 (クリックで拡大)

 Vi7は7型のディスプレイを備え、2G/3G通信ネットワークとWi-Fi、Bluetooth 4.0の通信機能を持つ。CPUにはIntel製Atom(クアッドコア)を備え、さらには同チップにカメラ処理用のISP(Image Signal Processor)、3D画像処理を行うGPUを持っている。ほぼストレスなく64ビット・アーキテクチャ向けOSである「Android 5.1」が走る環境をIntelチップが提供している。

 図2は、ほぼ同じ仕様の中国Teclastのタブレット「tPad」の写真である。

Teclastのタブレット「tPad」
図2 Teclastのタブレット「tPad」 (クリックで拡大)

 モバイル向けチップセットで先行するQualcomm、MediaTekに、Intelは大きく引き離されている状況が長らく続いていた。そうした中で、Intelは2010〜2013年にかけて、スマートフォンやタブレットでの出遅れを取り戻すべく、猛烈にモバイル向けチップ開発に注力した。そして、2015年に入り、ようやく中国の第2グループメーカーのタブレットやスマートフォンで採用を獲得し始めたわけだ。

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