Faraday Futureが車両プラットフォームを披露:電気自動車の新星(2/2 ページ)
電気自動車の設計を手掛ける米国のベンチャー企業Faraday Futureが、「2016 International CES(CES 2016)」でコンセプトカー「FFZero1」を披露した。注目すべきは、同社の車両プラットフォーム「VPA(Variable Platform Architecture)」だ。
注目すべきは車両プラットフォーム
FFでグローバルデザイン担当責任者を務めるRichard Kim氏は、「FFZero1は、当社の車両プラットフォーム『Variable Platform Architecture(VPA)』をベースとしている。このVPAでは、1〜4個のモーターや、さまざまな寸法のバッテリーパック、異なる種類のホイールベースなど、幅広いオプションの選択が可能なため、自社の全ての自動車において同じ基本構造を採用することができる」と述べている。
つまり、VPAによって、さまざまな車種を比較的短い期間で確実に開発することが可能になるということだ。
しかし、他の自動車メーカーも、異なる車種をもっと経済的に開発していく上で、既に同じようなプラットフォームをベースとした手法を採用しているのではないだろうか。IHS Automotiveでシニアアナリストを務めるJeremy Carlson氏は、「ある程度はそうだといえる。こうした手法の方が規模の拡大を実現できるため、さまざまな自動車メーカーが、その方向へと移行しつつある」と述べている。一方で同氏は、「とりわけ電気自動車では、FFのVPAは妥当だといえる。電気自動車は大型になるほどバッテリーを搭載するスペースが、より必要になる。VPAを使うことでFFは、さまざまなバッテリー向けに電気自動車を設計できることになる」とも説明している。
Kim氏は、スワイプやピンチが可能なマルチタッチスクリーンインタフェースや、前方の道路上にAR(拡張現実)技術で情報を投影する技術の搭載についても言及した。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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