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ウェアラブルはもっと速く安く作れる――Agx市場の門戸を中小企業や個人にも開くために(1/2 ページ)

ウェアラブル機器市場に参入する障壁を下げる。そのような理想を掲げて2015年12月に設立された新興企業Agx。同社は「第2回 ウェアラブルEXPO」に出展し、開発プラットフォームについて説明した。

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 「ウェアラブル機器は、もっと速く、そして安く作れるようになるべきだ」――。ウェアラブル機器の開発プラットフォームを手掛ける新興企業のAgx(エージーエックス)の社長を務める徳山竜喜氏は、こう強調する。

 同社は「第2回 ウェアラブルEXPO」(2016年1月13〜15日)に出展し、現在同社が構築しているウェアラブル機器開発プラットフォーム「Agxプラットフォーム」について説明した。Agxプラットフォームは、ウェアラブル機器を「速く安く」製品化することを目的としたもの。1)ウェアラブル電極、2)センシング技術/デバイス、3)トランスミッタ―、4)クラウド、5)データ解析エンジンという5つの要素で構成される。これら5つをパッケージとしてウェアラブル機器開発メーカーに提供することで、製品化までの時間短縮とコスト削減を実現し、ウェアラブル機器市場参入の障壁を下げることが狙いだ。

「Agxプラットフォーム」
「Agxプラットフォーム」の要素(クリックで拡大) 出典:Agx

 現時点では、5つの要素のうち、クラウドについては自社で開発を進めている段階で、その他の4つについては協業メーカーの製品を利用できるようになっている。

 今回のウェアラブルEXPOでは、Agxプラットフォームを初めて適用した事例として、スターライト工業の「スマートヘルメット」を展示した。作業用ヘルメットに搭載した電極で、生体情報を取得できるようになっている。作業者の生体情報をリアルタイムでモニタリングすることで、熱中症や事故などを防ぐことが目的だ。今後は、倉庫の運営会社に協力してもらい、スマートヘルメットのテストを行う予定だ。倉庫で働く作業員に、スマートヘルメットを身に着けてもらう。2017年の製品化を目指す。

「スマートヘルメット」「スマートヘルメット」の内部生体情報の取得イメージ 左=スターライト工業が開発中の「スマートヘルメット」/中央=ヘルメットの内側に、電極が取り付けられていて(赤枠)、それを皮膚に直接当てて脳波を測定し、生体情報をモニタリングできるようになっている/右=作業者の生体情報を取得しているイメージ(クリックで拡大)

 スマートヘルメットの内側に取り付けられている電極は、ミツフジの銀メッキ導電性繊維「AGposs(エージーポス)」から作られた導電テープで覆われている。本社を京都府に置くミツフジは、西陣織工場を起源とし、AGpossの開発や製造、販売を手掛けるメーカーだ。同社は、AGpossの糸や布をウェアラブル機器メーカーにも提供してきたが、市場の変化に合わせてより柔軟にビジネスを展開すべく、2015年12月にウェアラブル事業を分社化した。

 そして誕生したのが、Agxである。

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