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ウェアラブルはもっと速く安く作れる――Agx市場の門戸を中小企業や個人にも開くために(2/2 ページ)

ウェアラブル機器市場に参入する障壁を下げる。そのような理想を掲げて2015年12月に設立された新興企業Agx。同社は「第2回 ウェアラブルEXPO」に出展し、開発プラットフォームについて説明した。

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ウェアラブル市場が抱える問題点

Agx社長の徳山竜喜氏
Agx社長の徳山竜喜氏

 Agxの徳山氏は、もともとは外資系IT企業で事業開発などを手掛けていた。その後ミツフジに入社し、ウェアラブル事業を担当するうちに、ウェアラブル機器市場が抱える問題点に気付いたという。

 1つ目は、中小企業がウェアラブル機器を開発して製品化するのは難しいということである。徳山氏は、「大手メーカーであれば、センサーメーカーやIT企業との協業もスムーズに行えるかもしれないが、中小企業だとそれが難しい場合もある」と述べる。せっかくウェアラブル機器を開発したくても、センサーやクラウドサービスをどう調達してくればいいのか、分からないのだ。

 2つ目は、ウェアラブル機器メーカーが開発する製品と、消費者が本当に使いたがっているウェアラブル機器には、かい離があるのではないかという点だ。つまり、ニーズがうまく、すくい取られていないということだ。大手メーカーでは、ウェアラブル機器を、“鶴のひと声”や“トップダウン”で命じられるケースも少なくない。もちろん市場調査はひと通り行うものの、消費者が本当に欲しがっているモノができているかは疑問だと、徳山氏は述べる。「不要な機能も搭載されているウェアラブル機器もあると感じている。開発費の回収を考慮しても、ウェアラブル機器の価格は、まだ高い。“不要な機能”が搭載されているからではないか」(同氏)。

 市場のニーズに合ったウェアラブル機器を、誰もがもっと速く、そして安く作れるようになるべきだ――。そう感じた徳山氏は、ウェアラブル事業を専門にやらせてほしいとミツフジに伝え、Agxを設立するに至ったのである。ミツフジに入社して半年後のことだった。

Agxプラットフォーム、将来的には個人向けにも

 徳山氏は、Agxプラットフォームを中核として、センシング技術やトランスミッタ―、クラウドサービス、データ解析技術を提供するさまざまなメーカーと協業したいと考えている。Agxの「x」は、「パートナーシップを結ぶこと」という意味が込められている。

 現在、Agxプラットフォームは基本的にB to B(Business to Business)のウェアラブル機器を対象としているが、将来的には個人向けにも展開したいという。徳山氏は、「例えば、心拍数を計測できるインナーシャツを作りたいとする。『インナーシャツ』『心拍数計測』『スポーツ向け』にチェックを入れると、その用途に最適なセンサーやトランスミッタ―、クラウドサービスなどがオファーされるようなプラットフォームを目指したい。さらに、そうした用途を見たメーカー側からも、『こんな部品を提供できますよ』と提案できるような場所にもしたい」と語った。

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