3D XPoint、開発から製造へ:量産の実現には12〜18カ月かかる見込み(2/2 ページ)
IntelとMicron Technologyが開発した「3D XPoint」は、製造の段階へと移る見込みだ。量産には12〜18カ月かかるとみられている。また、3D XPointでは、カルコゲナイド材料と「Ovonyx」スイッチが使われていることが明らかになった。
製造コストは大幅に増加
処理装置などを追加することになれば、最新世代のNANDフラッシュに比べて、設備投資費や設置スペースなどが3〜5倍に増加する。さらに、次世代の3D XPointには、3D NANDフラッシュのアップグレード版よりもさらに多くの設備投資やスペースが必要になるという。
このためIM Flash Technologiesは、製造装置メーカー各社に対して、システム生産性の向上を促しているところだ。工場の生産性をこれまで通り維持するためには、ウェット処理による生産性を、第1世代品の180ウエハー/時(フロアスペース2.4m2の装置を使用)から、第3世代品では1000ウエハー/時(同1.9m2)にまで、飛躍的に高める必要があるという。
Blalock氏は、「ウェットプロセスの設備は進歩しているが、ドライエッチング技術は生産性の課題に応えられるほど進化していない」と話す。
課題は、3D XPointのロードマップにも影響する。Blalock氏は、3D NANDフラッシュは32層から始まり、48層や64層に増えていくと予測している。同氏は、3D XPointは、最初は2層のスタックで製造される予定とし、「4層スタックも確実に出てくるだろうし、EUV(極端紫外線)など最適なリソグラフィーによる微細化技術の恩恵にもあやかれるとみている。
NMVeベースのSSDでの性能
ストレージ用の規格である「NVMe」をベースにしたSSDでは、3D XPointチップは、9万5000IOPS(Input/Output Per Second)の読み書き性能と、9マイクロ秒の遅延を実現するという。一方NANDフラッシュの場合は、1万3400IOPS、遅延が73マイクロ秒だとしている。3D XPointのこの性能は、ビッグデータを解析するサーバから、マシンラーニング(機械学習)、ハイエンドのゲーム機まで、さまざまな用途に使えるだろう。
Blalock氏は、3D XPointの第2世代品は、DRAMと組み合わせてメインメモリに使用する“ハイブリッド”のような形で使用できるかもしれないと述べている。
3D XPointをDIMMにした場合、2ソケットの「Xeon」サーバにおいて最大6Tバイトのメインメモリを、DRAMの半分のコストで実現できる可能性があるという。なお、Intelのデータセンター部門でジェネラルマネジャーを務めるDiane Bryant氏は2015年9月、3D XPointを使用したサーバが2017年に出荷される予定だと述べた。
「3D XPoint」の基本構造を2層重ねたもの。重ねることで、容量を増やすことができる。メモリセルと「セレクタ」についても説明が書かれている。セレクタに送られる電圧の量によって、メモリセルの書き込みと読み出しを行う(クリックで拡大) 出典:Intel
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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