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自動運転向けの故障検出機能、16nmの9コアSoCにルネサスが「ISSCC 2016」で発表(1/2 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは、自動運転向けの車載コンピューティングシステム用に、ハードウェアの故障を予測・検出する技術を開発した。さらにそれを、16nm FinFETプロセスを用いた9コアSoC(System on Chip)に実装し、「ISSCC 2016」でデモを披露した。

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 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2016年2月2日、自動運転に用いられる車載コンピューティングシステム向けに、ハードウェアの障害を検出および予測する技術を開発したと発表した。さらに、この技術を用いて、16nm FinFETプロセスを採用したSoC(System on Chip)を開発。米国で開催中の「ISSCC 2016」(2016年1月31日〜2月4日)にて、同SoCを実装したボードを使ったデモを披露した。同SoCは、3種類のコアを合計9個搭載した9コアのCPUと、GPUを搭載している。

今回開発したSoCのダイ写真
今回開発したSoCのダイ写真。TSMCの16nm FinFETプロセスを使用している。コアは、ARMの「Cortex-A57」(動作周波数は2.0GHz)を4コア、「Cortex-A53」(同1.2GHz)を4コア、「Cortex-R7」(同800MHz)を1コア搭載している(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

大規模SoCの安全機構が抱える課題

 自動運転に用いる車載コンピューティングシステム向けの大規模SoCには、カメラやセンサーなどから送られてくる大量のデータを短時間で処理する能力に加え、ハードウェアの障害を検知する安全機構も求められる。安全機構を実現する方法の1つとして、機能の冗長化やセルフテスト機構の搭載などがあるが、大規模SoCでは、その複雑さや高い動作周波数から、機能の冗長化は難しい。さらに、セルフテストを行うには、自動運転に必要な他の機能を長時間停止しなくてはならないので、安全性に問題があった。

セルフテスト
セルフテストを行っている間は、通常のプログラムを実行できない(クリックで拡大) 出典:ルネサス

 ルネサスはこれを解決する手段として、新しいセルフテスト機構と、瞬間的な電圧降下によるハードウェア障害を抑止する機構の2つを開発した。

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