PM2.5を高精度に検出、三菱の空気質センサー:PM2.5だけではない!花粉もほこりも識別(1/2 ページ)
三菱電機は、PM2.5(微小粒子物質)の濃度を高精度に検出することができる小型の「空気質センサー」を開発した。1つのセンサーでPM2.5と、花粉/ほこりを識別することが可能である。
三菱電機は2016年2月、PM2.5(微小粒子物質)の濃度を高精度に検出することができる小型の「空気質センサー」を開発したと発表した。1つのセンサーでPM2.5と、花粉/ほこりを識別することが可能である。
新開発の空気質センサーは、上部と下部にそれぞれ集光ミラーを搭載する、独自のダブルミラー構造とした。集光ミラーが1個の場合に比べて、散乱光を約1.8倍も多く集光することが可能となる。このため光検知器は、粒子物質ごとに異なる特性をより正確に捉えることができ、微粒子数の検出精度を高めることが可能だという。
空気の流量を制御する機能も搭載した。一定流量の空気を安定的に送り込むことで、光検知器は流量中の粒子数を正しく計数し、PM2.5の濃度を精度よく検出することができる。また、空気の流量制御とレーザー光の光路をともに確保する配置とするなど、構成する部品配置を最適化したことにより小型化を図った。試作したセンサーモジュールの外形寸法は76×49×35mmである。従来の一般的な粉じん測定器は形状がラグビーボール大だという。
開発した空気質センサーは、空気中に浮遊する微粒子にレーザー光を照射して、その散乱光を光検知器で検出する仕組みである。特に、粒子サイズが小さいと散乱光は弱く、粒子サイズが大きいと散乱光が強い。このような散乱光の強弱で粒子サイズを判別することができる。また、散乱光は球形だと波形に乱れがなく、非球形だと波形が乱れるという特性がある。
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