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最小限の開発費で利益を増やす――Maxim製造施設は縮小、Appleにも売却(1/3 ページ)

Maxim IntegratedのパワーマネジメントIC事業が好調だ。同社は、研究開発費を最小限に抑え、製造拠点も縮小を図ることで、利益率を向上したいとしている。製造工場の1つは、2015年、Appleに売却されたことで話題となった。

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パワーマネジメントICに注力

 Maxim Integrated(マキシム インテグレーテッド/以下、Maxim)のプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるTunç Doluca氏は、2016年2月に行った投資家向け会議において、「当社はこれまで、パワーマネジメントIC市場において圧倒的な優位性を確立してきた。今後も引き続き、同市場に注力していく考えだ」と語った。パワーマネジメントICのターゲット市場としては、車載や産業機器、データセンター、ウェアラブル/モバイル機器などが挙げられる。

 しかし、このような市場に進出していく上で障壁となるのが、研究開発費の削減や、アナログIC工場の縮小などだ。半導体業界では近年、企業統合が進んでいることから、引き続き成長を維持していくためには、企業規模と企業責務の両方が重要な要素となる。投資家たちを引き付けるには、完璧なバランスシート(貸借対照表)を実現する必要があるだろう。

 Doluca氏は、「Maximにとって最適な市場に狙いを定めることができた」と主張する。2012〜2015年における同社の車載/産業機器/データセンター向け製品の売上高は、年平均成長率(CAGR)18%で増加したという。また、同期間中における車載用パワーデバイスの売上高は、年平均成長率43%で伸びている。同社はこれらの市場において、今後もほぼ確実に成長を拡大していくことができる見込みだとしている。

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出典:Maxim Integrated

 Maximがこのような飛躍的成長を遂げられたのは、パワーマネジメントICの分野において、圧倒的な強さを誇っているからだ。例としては、AC-DCコンバーター、DC-DCコンバーター、カスタムアナログコンポーネントの多機能パワーマネジメントICなどが挙げられる。

 同社は現在、アナログ半導体メーカーの売上高ランキングにおいて、1位のTexas Instruments(TI)と2位のAnalog Devices(ADI)に続き、3位の座を獲得している。また、標準パワーマネジメント市場では、TIに次ぐ2位となっている。Maxim Integratedが今後も引き続き、売上高の増加を維持していくためには、各市場においてどのようなアナログ回路が必要とされているのかを判断して、競争力のある機能セットを用いて開発し、効率的に製造していく必要がある。

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