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最小限の開発費で利益を増やす――Maxim製造施設は縮小、Appleにも売却(2/3 ページ)

Maxim IntegratedのパワーマネジメントIC事業が好調だ。同社は、研究開発費を最小限に抑え、製造拠点も縮小を図ることで、利益率を向上したいとしている。製造工場の1つは、2015年、Appleに売却されたことで話題となった。

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自動車1台当たりの収入機会は100米ドル

車載向けのデシリアライザ「MAX9286」
車載向けのSERDES「MAX9286」 出典:Maxim Integrated

 Maxim Integratedの売上高全体に占める車載用エレクトロニクスの割合は、17%である。同社の予測によると、同分野は2015〜2018年に年平均成長率9%で伸び、自動車1台当たりの収入機会が最大100米ドルとなる見込みだという。

 需要が見込まれる特定部品としては、

  • 電気自動車用リチウムイオンバッテリー向けのマネジメントデバイス
  • 車載バス向けシリアルリンク
  • LED照明(ヘッドライト/テールライト用)ドライバIC
  • 電源分配回路

などが挙げられる。シリアルリンクは、ADASカメラと高精細ディスプレイをサポートする。またスマートキーも、同社に新たな市場機会をもたらしてくれる分野となるだろう。

 高電圧コントローラーを必要とする産業用エレクトロニクス分野の同社の売上高は、6億米ドルに達する。2015年における同市場の売上高は84億米ドルで、年平均成長率は7%だったが、最大規模の産業市場分野である工場オートメーションが高い成長を遂げていることから、2018年には104億米ドルに達するとみられている。Maxim Integratedは、PLC(Programmable Logic Controller)向けの製品として、モーター駆動用パルス幅変調器や高精度オペアンプの他、人気が高まっているRS232インタフェーストランシーバーなども手掛けている。

 データセンター向けの製品では、2015年は当初の期待通りの速さで成長しなかった。だが、Maximは現在の地位に満足している。2013年10月に買収したVolterra Semiconductorを通じて獲得したサーバ電力管理ICによって、サーバの電力密度が20%高まるという。こうした電力効率の向上により、何百万米ドル分もの電力を節約できる可能性がある。

 Maximはモビリティとウェアラブルに120億米ドルの機会を見いだしている。モビリティでは、携帯電話機向けのパワーマネジメントICが好評だという。

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