新生ノキア発進、5G対応基地局製品をMWCで発表:Wi-Fiを含む複数の通信方式に対応(1/2 ページ)
Nokia(ノキア)は、Mobile World Congress 2016(MWC 2016)で、1つのベースバンドでWi-Fiを含む、複数の通信方式をサポートできる5G(第5世代移動通信)対応ベースステーション「AirScale」などを発表した。
Nokia(ノキア)の日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークスは、スペイン・バルセロナで始まったMobile World Congress 2016(以下、MWC 2016/会期:2016年2月22〜25日)における、ノキアブースの展示テーマや見どころなどを紹介した。2016年1月までにAlcatel-Lucent(アルカテル ルーセント)の買収/統合も完了し、新生ノキアとして初めての出展となる。新生ノキアは、LTE(Long Term Evolution)市場と、固定ブロードバンド市場でシェアが1位となり、IPルーティング市場ではCiscoに次ぐ2位の事業規模となった。
今回の展示テーマは大きく4つのカテゴリーに分かれている。「Inspired by innovation」「Networks in the cloud era」「IoT brought to life」及び「Leading in 5G」である。新生ノキアは、ベル研究所とノキアが保有する膨大な開発成果と開発リソースを融合することによって、開発力を一段と強固なものとした。Inspired by innovationエリアでは、5G対応及びそれ以降の世代に向けたイノベーション、最終製品として商品化したバーチャルリアリティーカメラ「OZO」などを紹介した。
Networks in the cloud eraエリアでは、クラウド時代のネットワークが、これからどのように進化していくかを示す。Alcatel-Lucentの買収/統合により、IPやオプティカル、固定、モバイルからソフトウェア、専門知識まで、ソリューションの提供に必要となる、全ての要素を持ち合わせることができた。会場では次世代無線装置やNFV(Network Functions Virtualization)/SDN(Software-Defined Networking)に向けたIP&オプティカルソリューション、オープンクラウドネットワークなどを展示する。同時にこれらのシステムを活用した収益改善の手法などについても紹介する。
MWC 2016における注目製品の1つが、新たに発表したAirScaleだ。1つのベースバンドでWi-Fiを含む、複数の通信方式を収容できるクラウド対応基地局である。これに加えて、従来の同社製品に比べて、消費電力は60%削減できる。基地局側に演算処理機能を備えるモバイルエッジコンピューティング(MEC)にも対応することが可能である。
AirScaleをベースとしたデモ展示もいくつか予定している。14.7Gビット/秒までスループットを拡張できるミリ波通信技術や、4Gネットワークを利用しながら、5Gシステムをアドオンすることで、いつでも100Mビット/秒に対応できる通信環境を提供するマルチコネクティビティ技術などである。
また、さまざまなアクセス技術を組み合わせることで、30Gビット/秒の伝送速度を可能とする「Massive capacity」技術、100万以上のコネクションを実現していくための「Massive connectivity」技術、車両に埋め込まれたセンサーやICの電波を受信して、地下駐車場などでの位置検出に利用できる「Autonomous driving」技術などを展示した。
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