Bluetooth v4.2対応のSoC、Nordicが量産開始:SoC「nRF52シリーズ」の第1弾
Nordic Semiconductorは、Bluetoothの最新仕様である「Bluetooth v4.2」に対応したBluetooth Smart SoC「nRF52832」の量産を始めた。
Nordic Semiconductorは2016年3月、Bluetoothの最新仕様である「Bluetooth v4.2」に対応したBluetooth Smart SoC「nRF52832」の量産を始めた。「nRF52シリーズ」の第1弾となる製品で、従来に比べて通信のセキュリティ機能などが強化されている。
nRF52832は、Bluetoothソフトウェアスタックに、暗号化された無線通信をサポートする「LE Secure Connections」機能が追加された。デバイスファームウェアアップグレード(DFU)のセキュリティ機能も、一段と強化されている。
ソフトウェアスタックで使用するメモリの容量を、設計者が構成に合わせて最適化できる機能も搭載した。また、複数のマスタースレーブネットワークを同時にサポートすることができるため、腕時計型端末にセンサーハブの機能を持たせることができるという。さらに、独自のNFC(Near Field Communication)タグを内蔵しており、通信を行う際に必要な機器間のペアリングを容易に行うことができる。
nRF52832は、最新SoC「nRF52シリーズ」の第1弾となる製品。ARM Cortex-M4Fプロセッサコアと、マルチプロトコルに対応する2.4GHz無線ブロックを搭載している。このSoCは、EEMBCベンチマークテストCoreMarkで「215」という高い演算性能を実現した。競合製品に比べると、処理能力は最大60%も高い。また、浮動小数点演算性能は10倍、DSP性能は2倍を達成しているという。
さらに、消費電流当たりのCoreMark値は58CoreMark/mAで、競合製品に比べると、最大2倍の電力効率を達成した。この他、アナログ/デジタルペリフェラルも内蔵している。これにより、センサーやディスプレイ、タッチコントローラなどの外部部品を接続する場合でも、グルーロジックを使わずに接続することが可能となる。
nRF52832は、パッケージの外形寸法が6×6mmの48端子QFNと、3.0×3.2mmのCSPの2種類で供給する。なお、nRF52832の生産量は、これまでサンプル出荷程度であったが、2016年4月以降は100万個規模に引き上げる計画である。
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